速報→「mixture♯1」空間ゼリーLabo
2009.3.21 19:00
空間ゼリーのラボ公演。外部脚本を含む3本の短編で115分。22日まで池袋GEKIBA。
保育園、園児の父親との不倫がバレてやめる保母、病気の園長の代理として気を張った日々を過ごす三十路間近の保母は結婚したいと思ったりもして「らくがき」。
徹夜明けのオフィス、先輩にほのかな恋心を持つ後輩の女性、当の先輩には「永遠」と「奇跡」と名乗る謎の人物が見えていて、それは大学卒業の時以来10年ぶりで「2008年11月。」
何年かぶりに帰国した男が大学時代の仲間たちを集めて話があるというが「パンドラ」。
「らくがき」は、辞める保母のパートが前半、ねじ込んでくる母親が居て、気の張る役割を持たされているベテランではあるけれど三十路間近の保母が居て。きつい日々、結婚したいなぁでも相手いないなんていう日常の会話。 それとは裏腹に、彼女にはそこから抜け出す鍵を持っていて。冷静に考えればとっても嫌な女という感覚がしないでもないのだけど、どちらかというと地味目に見える園(平田暁子)が、というのがポイントでそれに支えられているといってもいい感じがします。正直に言えば、後半部分こそがアタシの見たいところではあるので、そこをフューチャーして凝縮したものが観たい感じはします。 「さよなら」と言い残してその部屋を去るラストシーンはちょっといい。
「2008年〜」は、10年前と現在を自在に行き来しながら、そのターニングポイントにあらわれる「しるし」を巡るはなし。洒落た感じのつくりで芝居らしさがあふれます。昔の想い出語りかと思っていると「将来につなげてみせる」女の意地のようなものがいい味に終幕に効いてきます。反面、頭良さそうな哲学めいた言葉を振り回している感じがするのは、学生特有の議論のシーンとはいえ、ことさら言葉にしない方が実はすんなりくるんじゃないかと思ったりもします。
「パンドラ」は、何かができると信じて大学時代から変わらない男と、振り回され続けている周囲の距離がくるくると変わる、作家の底意地の悪い視線が楽しく凝縮。そこに希望が残るはずなのに、それすらもなくなっちゃう、というのはタイトルによくあっています。そういえばそういう男だった、という女性視点の見方がちょっと新鮮なところはあって。人間を見ているなぁと思わせるのです。
シンプルというよりは手作り感あふれる舞台。RED/THEATERで彼らが打つようながっつりした公演だってもちろんいいのだけど、こういうシンプルな舞台ゆえに見えてくるものというのもある感じがします。
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