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2009.03.07

速報→「誰も寝てはならぬ」国道五十八号戦線

2009.3.5 20:00

去年のアトリエ公演からの再演、本編75分。8日までdie pratze。そのあと大阪。

滅んだ演劇を復活させるという実験にDNAで集められた人々。なくなった演劇を台本から再構築する作業は何年かけてでも成功するまで続けることになっていて、軟禁状態で。

手探りでエンゲキを探す序盤、思わせぶりに芝居の本質っぽいことを突いていくセリフも楽しいのです。戯曲だけから滅んだエンゲキを考古学的に再構築しようとする過程で徐々に稽古らしいこと、演出らしいことが形成されていく過程は実に楽しいのは、演劇の進化を見るようで、というのは初演の感想と同じ。よく考えればそこかしこに芝居が絶滅した世界の割には少々妙な感じがしないでもないのだけど、まあマスコミってのはあるようだしいろいろ計算のうちといえないこともないわけでそれほど気になるわけではありません。

全体の印象があまり変わらない半面、違いは役者でしょうか。役に名前がないのでどうにも既に知っている役者で記憶を辿るしかないのだけど、今回初めての参加の菊池美里は「ソバージュばあさん」からどんだけの振れ幅なんだという一種怪演なのだけど、単なる飛び道具なんかんじゃなくて圧倒的な安定があって凄みすら。ハマカワフミエは初演のクールビューティという感じから劇中にも台詞のある融通の利かなさ加減が強く出ていてむしろ押さえた印象。

そこかしこに少しずつおかしみがあって、アタシのテンションを繋ぎます。NASAの開発したものは信用できないとか。 報酬と時間を天秤にかける序盤のシーンの感覚はおもしろい。報酬なんかなくても金払って芝居見てる立ち位置でも時間は天秤にかけるものなぁ。

今週の柿喰う客もそうですが、美術などもシンプルで少人数(今作は女3、男5)、短時間という構成のポータブルな芝居を一本持っているとツアーに向いていて劇団としての名刺代わりの広がりに繋がっていいよなぁと思ったり。ちょっと色気気味の一カ所を少しいじるだけで高校生にも向いていそうな印象があります。 ネタバレです、確実に

軽いどたばた風から、独特なエンゲキバックヤードと作家のエンゲキを思いあぐねる気持ちがぐるぐると廻る感じ。派手な芝居っぽさだったり、普段の生活に潜む芝居っぽさだったり。そこから更に生きていくこと自体が芝居だもんな、というのはよくよく考えれば特段に目新しい視点ではないのだけど、それをあっさりと5分でうっちゃるリズムや、それをアタシの胸先に突きつけられるような見せ方は独特で気持ちのいい感じ。

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