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2009.03.15

速報→「108」劇26.25団

2009.3.13 19:30

再演や劇場公演以外を意味するというB公演、アタシは初見の演目です。15日までアトリエヘリコプター。100分。

日曜日の保育園。ドキュメンタリー映画の監督と打ち合わせるために待っている女性の職員たち。女性は自立しなければならないという園長の教育方針をもつこの保育園は、時に行きすぎてしまい、週刊誌の格好のネタになっていて。

3年前にかかれていて、あまり手を加えていないのだといいます。アタシは初見。ここ数年の感覚だと女性がむしろ強くて男性は滅びゆくのだ、というのがわりとふつうに感じられるのだけど、女性の自立至上で、共生という感覚がないというのがかなり偏った形で先鋭化してる「古さ」を意図的に書いている感じがしてむしろ新鮮ですらあります。

女性らしさを出したりおもねたりすることを嫌う彼女たちなのだけど、その先頭である園長が見る「夢」はオンナらしさムンムンで、それが彼女の中にある気持ち(押さえ込みたいのか眠っているのかはわからないけれど)を可視化しています。一番若い事務員はまた別のオンナが透け見えたり、女性同士の関係もあったりもして。

そこで生きていくこと、自分の主張を通すということが狭いコミュニティの中で先鋭化していくというのを描く作家の視線は鋭くて、端から見るとオカシイ人々なのだけど、その中での理屈は通っているという感覚は、「博愛」につながる得意技。

が、アタシはどうにも物語のなかに入り込めなかったりもするのです。行きすぎたフェミニズムということの違和感はともかくとして、それの行き着く先が、ある種の同性愛になってしまうというのは、あたしゃ嫌いな展開じゃないけれども、物語の深みを消してしまうような感じがします。

池田ヒロユキ演じるマジシャンの気の弱いしかし連れの女(須藤真澄)との浅はかな駆け引きの感じはちょっとおもしろい。この物語のなかで糾弾されるべき対象のはずなのだけどそれがスルーなのはもったいない。事務員を演じた清水那保の気の弱さ加減が絶妙で、視線が泳ぐような瞬間の表情。赤萩瞬純のテンション、若い世代だけど歌川椎子っぽくておもしろい。監督の永山智啓もこうみえてなかなか悪人、嘘っぽく面白がる表情が絶妙。

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