速報→「ベルゼブブ兄弟」鹿殺し
2009.2.11 14:00
鹿殺しの新作。115分、15日までRED/THEATER。そのあと神戸、大阪、福岡。
幼い頃英才教育風に育てられた兄妹だったが母親が男と逃げてしまい叔母夫婦の工務店でもう二人の従兄弟と一緒に育てられる。末っ子をのぞいてひたすら怒鳴ったり叩いたりと怖い父親だったため、自分だけの世界に閉じこもってみたり、それでも父親の会社で働くようになったりしていた。東京に出て音楽の道に進んだ次男が、父親の葬儀のために12年ぶりに戻ってくる。
複雑な家庭で親戚に引き取られた兄妹と、兄弟の四人のすこしばかりゆがんだ愛情の姿。そこに東京でまだ売れてないバンド「ベルゼブブ兄弟」なる蠅の王(wikipedia)の復活を重ねて、恨みなどの心象風景の具現な感じに見せていきます。
父親の死因に持たれた疑問から派生して、それぞれの子供の頃からの歪んだ想いが噴出、という筋立てで、少々パンク風味にすぎる感はあるものの、物語には厚みがあります。
正直に云えば、タイトルやら蠅やらといったあたりが今一つ「恨みはらさでおくべきか」という点と見た目の迫力という点をのぞけば、せっかくタイトルにいただいているわりには、そこが尻すぼみで、兄弟たちと父親の愛情の物語になっている感じはあって、あれれと思ったりもします。
一端終わったと思った物語が、もうすこし続いて蛇足な感じがするのは、ハッピーエンドを求めてたのかな、あたし。
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