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2009.02.02

速報→「ジェラシー ~夢の虜~」フライングステージ

2009.2.1 14:00

川島芳子(wikipedia)の史実に、ミッシングハーフの前日單を潜り込ませながら見せる130分。1日まで駅前劇場。

上海にやってきた川野万里江の部屋を借りることになったのは、川島芳子、東洋のマタハリと呼ばれた男装の麗人その人だった。満州国建国に走り回った彼女の姿を描くことで国威発揚を狙った婦人公論の連載のために呼ばれた作家と三人の奇妙な暮らしが始まった。

川島芳子の史実を借景に「ミッシング・ハーフ」の虚構の物語を折り込んでいて、そのたくらみはある程度成功しています。満州国を建国し日本軍に重用されてはいたが徐々に世間から忘れられそうになっている川島芳子に、トーキーの時代の女形という座を失いかけていて一念発起本当の女優になるべく上海に渡ってきたという女、「まきかえす」二人が出会う虚構の場を作り出します。

ゲイであることをカミングアウトしているこの劇団は、最近では珍しく常に何らかの「見方」を折り込んできます。今作においては、トランスジェンダー的なものを描きます。川島芳子の17歳の断髪の「女を捨てる」宣言だったり、女形から女優になろうとする人の姿だったり。

今回の二作を比べると、少人数で賑やかなつくりの「ミッシングハーフ」は再演で芸達者の役者の存在感が圧倒的。新作となる今作はそれに比べると、意図はわかるものの物語が要請するよりは人物が少々多く感じる気がして。更に中国という国で日本がやったこと、ということまで折り込むのはたいしたものではあるのですが。

高山奈央子の凜とした感じ、派手な目張りは少々やりすぎな気がしないでもありませんが、男装の麗人に違和感持たせないのはやはりこの役者の持つもの。関根信一の安定は圧倒的。奔放される技師を演じた遠藤祐生がいい雰囲気。

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