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2009.02.09

速報→「この世界にはない音楽」むーとぴあ

2009.2.8 14:00

元発砲B-ZINの武藤陶子の立ち上げたユニットの旗揚げ、空想組曲初演の短編の再演作。10日までシアターモリエール。そのあと大阪での上演。85分。

死にたいと思っている人間と契約し、魂を抜き取る悪魔。契約の成績が悪く、今晩中に一つも契約が取れなければ、閑職に追いやられると言い渡される。町で出会ったのは、干された作曲家の男で、契約を無事に取れそうだが。

もともと60分程度の原作を85分ぐらいに。役者の十八番の雰囲気をはさみつつ。普段ならばもっと大きな劇場でみるような役者ばかりですからこの規模の劇場でみられるのはちょっとうれしい感じではあります。反面、役者自体に興味がないとその部分がやや冗長な感じに見えてしまう感じもあります。

もともとは小柄だけどクールビューティ風の悪魔(初演・牛水里美)と、少々人情にもろい感じに見える上司(初演・紫村朋子)という組み合わせだった初演なのだけど、一生懸命でおっちょこちょいな悪魔(武藤晃子)と、もっとクールな感じの上司(澤田育子)というキャストのキャラクタにあわせて手を加えています。無理にもとのキャラクタに拘らなかったことがうまくいっていて、このキャストにはよくあった感じになっています。時間の長さもあって、タイトさは薄まった感じもしますが反面、全体にもっとハッピーな感じには仕上がっていて、これはこれでありだなぁと思うのです。

西川弘幸演じる作曲家はまっすぐに誠実なキャラクタに、苦悩具合は薄く感じないことはないのだけど、軽やかなシーンはよくあっています。武藤晃子はいじられキャラ風全開、発砲の頃の感じであたしは楽しい。澤田育子の終幕の「くだらない」という一言が実にすっきりとしていて、一気にかっさらわれる感じはちょっと凄い。

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