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2009.02.23

速報→「サーチライト」ユニークポイント

2009.2.22 14:00

久しぶりに拝見するユニポの新作。希望があるという事実をひたすら丁寧に四本の小品に。85分。23日までシアターグリーンBIG TREE THEATER。

四つのものがたりがカットオーバーしながら。(1)息子が一人暮らしを始めた夫婦、連絡が取れなくなったと息子の彼女から電話がきて... (2)国際問題研究会なる団体からデモに誘われる大学生の男、渋々話を聞くが、やがてその熱気に巻き込まれて。 (3)ヒモ同然で女の部屋に転がり込んだ男。甘い生活に見えるが、男はわき腹に痛みを感じて。 (4)どこか遠いところ、アルカディアなる、共同生活体らしいところ、取材にきた記者とアシスタント。

当日パンフの作家の言葉によれば、希望の在処を具体的に示すのではなく、希望を持つことを声高に主張するでもなく、毎日生きているんだという事実を描いた、のだといいます。4つの物語はほ独立して進んでおり、互いにリンクしそうな小さなつながりらしさを一瞬みせても、あっさりとうっちゃられてしまって、人物も物語も決してつながることはありません。終幕こそ一カ所に集まったかにみえますが、それは芝居を作る上で「絵になる」ように集めただけで、物語の上での必然があるようには感じられません。

どの物語をとっても、アタシの持つリアルとはリンクする題材がないからかもしれませんが、丁寧にテキストを紡いでいるという感じはしても、人物があたしに迫ってこない、純度の高いというか悪くいえば描き割りのような抽象性の高い人物が動いているという印象。 行方不明の息子に何があったかも、アルカディアの正体も作家の興味はないのでしょう、すっかりとそぎ落とされていてそれに対面する人間たちだけを抜き出して描いています。

そういう物語の作り方ももちろんあるわけですが、こんな時代とか希望とかということをことさらに云われても、あたしの気持ちには迫ってこない感じではあるのです。

役者も作家も、それができないわけはありませんから、確信的におこなっていることは明らかだと思うのですが、アタシが欲しているのは、もっと不純物というかノイズがほしいな、と思ったりするのです。

看護婦の部屋の序盤の甘い生活感が見てて気持ちいい。あるいは夫婦のシーンの序盤の距離感も安心してみられる感じ。国際問題研究会はコミカルさが楽しいがもっと突き抜けた方がバランスがいい感じも。

16時から設定されたWSの公演。詳細は語られていないのでよくわからないのですが、死の直後の人々が次々と訪れモノローグを語る構成。死んだ人の心を想像して描く、というやりかた役者が紡いだ言葉で作られているよう。そういう意味では物語そのものはあまり期待できませんし、役者のキャラクタを重視するというのとも違う感じになります。無償公演ですから多くを望むべきではありませんが、成果発表というカタチをとるのであれば、ワークショップを行った側はどういうつもりのプレゼンテーションとして意図したのかを事前に観客に教えた方が見る方は楽じゃないかなと思ったり。さすがに夜に観た山の手の一年に渡る研修のキレはここでは観られるわけもないのですが。

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コメント

作り手として、これから何をやっていかなくてはいけないんだろうと考えています。リアリティーの追求?社会の反映?そんなことを考えているうちに行き着いたテーマが、希望というキーワードでした。抽象性が高くなるのは、希望どういう人物に、どのように持たせればいいのかが、具体的ではないからだと思います。安易にたせると、リアリティーをなくすし。希望を持つことにリアリティーを感じられないことこそ、描きたいことだったかもしれません。いつもありがとうございます。

投稿: 山田裕幸 | 2010.11.17 00:51

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