速報→「ミッシング・ハーフ」
2009.1.26 19
フライングステージの公演。新作と再演作を組み合わせながらの公演の再演側。110分。1日まで駅前劇場。
1940年の上海、真珠湾のすこし前。サイレント映画にでていた女形は出番を失い、「ほんとうの女優」になるのだと北京にわたり、手術を受けて女となり「女優」を目指す。若さも美しさも持ち合わせないまま、しかし誇りは失わず、再起を狙う。
ある日、銃を持った男が押し入ってくる。もとは映写技師だったが、上映中にフィルムに引火した火がもとで映画館を全焼させ職を追われていた。その男が焼いたフィルムこそ、彼女が再起をかけて主演し、先行上映するためにかけていたたった一本のマスターフィルムだった。
たった三人のキャスト。人物は二人+たくさん。賑やかさも笑いも、洒落た感じもあって、見ていて楽しい感じなのです。
サイレント映画からトーキー、男装の麗人、戦争など 歴史を借景にしながら、嘘の許される町という背景の場所設定の見事さ。映画のシーンの語りを引きながら、落ちぶれつつある一人の物語が気持ちにしみこみます。
土曜昼はゲネプロだったのでアタシが観た25日夜は事実上の初日。たぶん新作の方に力を注いでしまったがために、稽古の不足はあきらかではあります。が、そういう危うさを乗り切れる役者の力の確かさは、逆にそれが観られて凄さを感じるのです。
多くの役を演じた大門伍朗のさまざまが実にカッコイイ。使用人、宦官手術の男、女形の師匠、満映の甘粕正彦。さまざまに変化する役の移り変わりが楽しい。まるで大衆演劇のような楽しさなのです。 映画をモチーフにしているけれど、全体の雰囲気は映画のよう。しゃれた音楽、笑いも泣きも。濃密でしかし気楽に楽しめる舞台、日曜夜だというのにちゃんと満員だというだけのことはあるのです。
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