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2009.01.11

速報→「自転車の盗難」ナカゴー

2009.1.1019:30

何人かの友人が絶賛していた劇団、王子へ。果たして。低い位置での芝居が多いのでなるべく前、無理ならばむしろヒップポイントの高い後方を。120分。12日まで王子小劇場。

中学二年生の女、公園で先輩にからまれている間に自転車が盗まれる。街をさがしまわる同級生や仲間たち。

正直に云えば、ほぼ素舞台を高さなく作ってたり、客席は微妙に段差があるわりにヒップポイントが余り変わらずに見えにくかったり。あるいは舞台の向こう側の動きが見えたりと技術のさまざまは未完成な感じは否めません。が、作家の観察するさまざまな人間の造形が凄いのです。

ネタバレかも

中学生のころの、成長の差の激しさ。オンナノコたちは大人になりかけていて自意識も激しく、そのなかでも差があって。男の子たちは体は大きいのにさまざまに残念な感じの描写。あるいは大人たちのひどさ加減。先生は一生懸命だけどグチを吐き、母親はあきらかに怖い感じに頭おかしいし。あるいは憧れの先輩についての女二人のかみあってないようでちゃんと交わせる会話、その先輩の鬼畜加減。

この規模のこういう作りの芝居としては明らかに多すぎる役者なのだけど120分の中にこれだけ詰め込み、ちゃんと伏線もちゃんと回収するのです。

それぞれに事情があって、最重要だと考えていること、そのかみ合わない具合の会話がさまざま。作家が人間を信用していない感じもとてもいいのです。いや、よくはないのだけど。

父親と二人の会話のシーン。泣きそうになりながら話す中2の娘の話を聞く父親のシーンはなんか感動で涙を流しそうになるのです。

あるいは頭のいい同級生、中2なりにさまざまに張り巡らす策略も腑に落ちる感じ。あるいは女子だけの保健体育の授業でおそわったらしい「ポーシャン」のの描写が凄い。

ケラの、といえば褒めすぎな感じもしますが、 考えすぎる人々の話、はちょっと似ている感じがします。おもわず、受付でうってた500円の文字ばかりの同人誌、買ってしまった。お茶の水の文化学院の人なのか、と思ったり。

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