« 速報→「フルチョア」げんこつ団 | トップページ | 研修。 »

2008.12.10

速報→「飴をあげる」こゆび侍

2008.12.9 19:30

俳優陣の客演で注目を集める、こゆび侍の新作は短編3編+超短編1つの120分構成。14日までルデコ4。座面がすべてフラットな6,7列の客席、低姿勢の芝居もけっこうあるので、迷わず先方、できれば奥の側面壁際ではない席を。

最初の人類たちの中の一人が動かなくなる、動かなくなった男を背負って女が氷の国にやってくる「亡骸をめぐる冒険」(25分)。
オフィスで並ぶ男女、お菓子のやり取りの一瞬の「幕間」(5分)。
きらきらと輝く飴と同じぐらい、酔っぱらった人間に光る涙もキラキラしてて、キラキラしているものはカラスは大好きで「飴をあげる」(30分)
絶対に外に出ないと革命をなしとげた蝉たちの生活「うつせみ」(60分)

全体に詩的な印象。作家の考えた頭の中の空想だか妄想だかの人間じゃない(最初の人類、ってのもありますが)さまざまの語る物語。かといってファンタジーではなく、もっと静かに見つめる感じでもあって、体感時間は少々長めで見えづらさがそれに拍車をかけます。

ネタバレかも

「亡骸〜」最初の人類たち、猿のように暴れたりしてるけれど共同生活したり、果物取ったり。その中の一人が死んでしまう。その一人に重なるようにほぼ現代のような北の国。動かなくなった一人を軸にして「死を受け入れるのにかかる時間の風景」を時代を隔てた二つの場面で描くのです。片方は言葉がなく、片方は静かに進む時間は確かに対比ではあるのだけど、「かかる時間」を実感させるためかどうかゆったりした時間を見続けるのは少々辛いところも。

「幕間」オフィスのときめきの一瞬を切り取った感じ。お菓子のやりとりの裏側、受け入れることの色っぽさ、みたいな空気。アタシは好き。浅野千鶴にときめき。

「飴〜」失恋した男に恋したメスカラスのものがたり、という設定はなんかファンタジー映画にもできそうな感じのわくわくさせる感じ。カラス役の佐藤みゆきの高いテンションで芝居を引っ張ります。ごくシンプルな話で骨格はいい感じ。体感時間の長さの克服はもうちょっと必要な感じ。

ここで「中説」。休憩というかストレッチをするために作家が舞台に登場。結果としては、やっといて良かったのだけど、物語のテンションが急に日常に戻されるクールダウン。

「うつせみ」6年地中に居て、地上に出たらすぐ死んでしまうセミの革命は、「地上に出ないように世界を閉ざすこと」。そうやって暮らす中で支配する退屈、退屈を潰すためのCDやあれこれの下りはちょっと面白い。結局のところよくわからない感じでもあるのですが。

|

« 速報→「フルチョア」げんこつ団 | トップページ | 研修。 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 速報→「飴をあげる」こゆび侍:

« 速報→「フルチョア」げんこつ団 | トップページ | 研修。 »