速報→「軋み」ブラジル
2008.12.12 19:30
予約していたのより前に時間が空いて予定変更。ブラジルの新作、芸達者なドリームチームの座組、しっかり見せる物語は隙がありません。14日までTHEATER/TOPS。120分。
漫画家の妻、別居状態の夫が頼まれた買い物を持って行くと、妻、編集ともう一人、アシスタントの女が死んでいる。編集は漫画家を守るために夫に自首をすすめる。
一回だけ時間が戻りますが、そうわかりにくいわけではありません。全体としてほぼ時間通りの流れ、笑いも多くて実に見やすいのです。ブラジルの特徴である、あたまオカシイ人、というのは余り登場しませんし、ましてやその前の特徴だった白濁液もありません。スタンダードとでも云えるような仕上がりで映像でも作れそうに思えます。
ひとそれぞれ、何年も生きていれば個々人の拘りどころは様々だ、というのはアタシが最近受けた研修のテーマでした。それを思い起こさせるようなところがあります。愛情なのか、連載という仕事なのか、嫉妬なのか、作品への圧倒的な憧れなのか、登場人物たちはそれぞれに異なる拘りどころがあります。それはみんながみんなばらばらで、交わらないことから、ズレが生まれていきます。
ネタバレかも
無茶な設定、なんせ殺人事件の隠蔽ですから、それにしちゃ笑わせる余裕がありすぎる、という感じがしないでもありません。最初はそこに大きなトリックが隠されているんじゃないかとすら思ってたのです。もっとも深刻な状況下での人の行動は端から見るとコミカルですらある、という描写が得意な作家ですからそう思って見ればちゃんと面白い。
芸達者な役者たち、少々の飛び道具的な三役も含めて会話のテンポも間合いもよくてひっかかりどころが微塵もないのは、この座組なら当然求められちゃうレベルなのだけど、軽々とクリア。桑原裕子と櫻井智也の夫婦の掛け合いは実にテンポも笑わせどころも切れがよくて楽しめます。辰巳智秋の編集者の落ち着いているけれど妙にオカシイ雰囲気、西山聡の鉄砲玉のようなイキオイの対比、葛木英の美しいのにコミカル、山本真由美の見た目に反しての嫌な奴など、色とりどりなキャラクタが持ち分を過不足なく。その中でも中川智明のキャラクタ勝負の三役は飛び道具ですらありますが、癖になるようなインパクトがあって夢に出てきそうな感じ。
一回時間が戻るところでの、役者のメイクの処理がスマートでちょっと面白くて印象に残ります。
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