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2008.12.15

速報→「ロゼット」Habaneraプロデュース

2008.12.14 14:00

女優のため、と銘打ったプロデュース企画。14日までシアターグリーンBASE THEATER。90分。

観葉植物の販売・レンタルを行う小さな会社のオフィス。代表の女と、高校生からの親友でパート勤務している女。ポインセチアや観葉植物のリサイクル事業など、互いの意見は今一つあわず、業績も厳しい状況。ある日、二人の同級生の男に偶然出会い、オフィスを訪れる。従業員の元職人、その妹にもそれぞれに悩み、いえないことはあって。

小さな会社のごく小さなコミュニティ、出入りする人々もほぼ固定、口論はするけれど、お互いを完全なまでに思いやり、でも自分のしたいこともあって。まるでモチベーションやコミュニケーションに関する教科書のように場があり、言葉が相手に作用し、自分に戻ってくるという小さな場面の積み重ね。破綻も無理もなく、やさしい人ばかりが出演するこの芝居の世界はとても愛おしく、雨上がりの午後のアタシの気分をやさしく包み込みます。

女性のため、と謳うプロデュース公演。しかし、若い女性の恋愛と家族との関係、仕事と自分の生き方、突然の病気、夫との冷えきった関係、子供を巡る夫の実家との駆け引き、主婦と社会とのかかわり、本人は気づかないけれども恋されていることなど、ある年齢層の女性たちを取り巻くキーワードをすべて放り込んでいる感じ。それをほぼ一本の物語にまとめて破綻なく90分に作り上げています。

反面、あまりに広げすぎたがために全体をさらりとなでている感じはあって、綺麗すぎる感じではあります。一人の人物や物語に深く入り込んでみられるか、といわれるとダイナミズムとか意外さとか、あるいはあたしの気持ちを激しく揺るがすかといえば、その点では物足りない感じもするのです。

とはいえ、たった5人、90分でこの世界を作り出すというのは大したものだというのは間違いなくて、役者も物語も、次にまた観てみようという気にさせるのです。

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