速報→「あれから」KERA MAP
2008.12.28 14:00
新しい出会いを、と云っていたKERA MAPだけど、ずいぶんと有名どころ、手堅い座組で、カーテンコールによればケラ初のハッピーエンド。休憩15分込み180分。世田谷パブリックシアター。
高校生の時以来、30年ぶりに再会した二人の女。一人はカメラマンの妻。もう一人は絵本の翻訳を始めて夫は大人の玩具メーカーの社長だったり。高校の時に二人があこがれていたかっこいい先生は事故で亡くなっていたが、そっくりな若者が、翻訳の事務所の隣にあるカウンセラーの助手で。そんなとき、カメラマンの妻はカウンセリングに通い始め。
かっこいい先生にあこがれる、という高校生の時の親友だったはずの女たち。物語が進んで行くにつれて、それは無邪気なあこがれだけではなく、駆け引きめいたものがあって云わないことがあったり。それでも二人はそれぞれの夫と歩んでいく人生、という感じのラストシーンはほろ苦さがちょっぴり。映画のようにきれいにできすぎている感はあって、多少物足りない感じがしたりもしますが、3時間という時間を飽きずにみさせる、しっかりとしっとりと。
年齢がそれなりに進めば、積み重なる人生もあって、感じる痛みの蓄積もあって。でも、それをことさらに云わないのも大人なのであって。あちこちに仕掛けた「いえないこと」を終盤で一気に吐き出させるのは巧い感じがします。 更に過去を表す「それから」と、未来を表す「これから」というあたり、あのころの私たちには「これから」しかなかった、なんていうト書きのスライドも洒落ています。
愛することを理解することだ、少なくとも理解しようとすることだというあたりの枠組みは素敵な感じで。アタシはそれを実感として感じるべき年代に来てるはずなのだけど、頭で理解できるだけの感じは、年末の寒風堪えます。
もっとも、 子供を4歳で亡くした日のケーキ屋が今のカメラマンだったり、そこかしこが相当無茶な関係だったり、というのも、ここまで行けば箱庭のような感じもしてちょっと楽しい。
赤堀雅秋演じる叔父さんと、植木夏十演じる娘は実は親子なのだけど、というちょっと複雑さとは別にこの二人の造型は腑に落ちる感じがします。文字通り、ガサツで下品な叔父との距離間、その想いの深さのようなものが感じられる病院のシーンが実は一番好きです。
愛人が別れを決め、妻と話すシーン。「アタシ、歯を磨いてあげるんです」という趣旨のせりふがあるのですが、あたしの友人によれば川上弘美の近刊「風花」収録の短編(87ページぐらい)にほぼ同様の数行のせりふがあって、立ち読みしてみればシチュエーションこそ違えど、ほぼ同じシーンといっていい。これ引用の記述のある映画が元ネタなのかなぁ。どうなんだろう。
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