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2008.11.24

速報→「中嶋正人」studio salt

2008.11.23 14:00

スタジオ ソルトの第二回公演の改訂再演(アタシは未見)。劇団としても10回公演、テレビ神奈川などの情宣にも力が入ります。30日まで相鉄本多劇場。100分。

刑務官として赴任した若い男。上告している若い死刑囚の担当となる。変わったばかりの法務大臣は前任者が手をつけなかった執行命令をいくつも出していて。

法の下での死刑の執行は殺人ではないのかという、死刑にまつわる議論の最小限のステークホルダーの男たち。執行官たち、命令を出す側、被害者、死刑囚。作家自身にももちろん主義はあっても、ひたすら彼らのそれぞれの立場をまっとうに語らせ続けます。 蟷螂の下りや、刑務官と父親、刑務官たちのバカ話、法務大臣と秘書などに一見とってつけたような背景を描いて見せますが、意図したものかは別にしてある種の「どこにでもあるような背景」が、その人物が書き割りの役ではなく、どこにでも居る人間が「たまたまその役になってしまった」というロールプレイの一つであるように感じさせます。

正直に言えば、よく議論されることを舞台に乗せたという感じはあって、この議論の先にある何かをみたいという気がしないでもありません。が、このロールプレイ感は、裁判員(日本版の陪審)が身近に迫った今見ると、この舞台には描かれていないけれども、自分がそのステークホルダーの一人になりうるということは身に迫って感じられるのです。

ソルトの本公演としては珍しく、イントレで組まれた抽象的な舞台。あまりに違いすぎるさまざまな場所を描いているということもあるけれど、縦横に組まれた鉄パイプがさまざまな繋がりを表しているように思えたり、冷たい感じもよく出ていて。

食べることに拘る彼らは、甘い食べ物のさまざま。同じものを食べ、同じものが好きと語らせることで、いつでも交代しうるロールプレイ感がよくでています。 物語とはまったく関係ないのだけど、独身の刑務官ふたりの飲み会でのシーンが個人的には好きなのです。

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