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2008.11.16

速報→「冒険王」青年団

2008.11.16 14:00

新たなキャストによる三演め。12月8日までアゴラ劇場。100分。

イスタンブールの安宿。ずっと逗留している人々。

青年団のいわゆるベテラン層の山村、志賀という再演に比べるとぐっと若返った印象。それでも役の設定からすればそれが普通なわけで。個性的な役者に依存していたかと思っていたら実はそうでもなくて、世代交代をしてもびっくりするぐらい印象は変わりません。

当日パンフよれば前作「眠れない夜なんてない」に対比すると、かつてはたしかに退廃を描いたはずの本作の若者の姿が今の目で見れば真摯に見えるのだと作家は言います。テキストや演出をどれだけ変えたかはよくわかりませんが、ここにとどまり続ける人々の話というよりは、ここを通過点とする人々の話がより強く印象に残る感じがして、それが作家の言う「明るい、積極的な」ことだと感じるのです。

それは日本という国が時間を経てどうなったかというよりは作家自身もアタシも年齢が進んで、人物たちの若さがすでにまぶしく見えて手に入れられない側に足を踏み込んでしまったという、見る側の立場の変化が大きく影響している気がしてなりません。

石橋亜希子演じる女性客は初演再演の後を継いで、きちんと、実にしっくりくる感じ。大竹直、古舘寛治、大塚洋も独特の雰囲気で印象に残ります。

さすがに時代を感じないわけには行きません。ちゃんと動いてるらしいウオークマン初代(ヘッドホンのイヤーパッドはオレンジにしてほしいが)とか、北の湖とか、平凡パンチとか。もちろん一番違うのはネットとか携帯電話がなくて、口コミで情報が伝わるということ。テレビもろくにありませんから、戦争とか内紛とか江夏とかの話題にタイムラグがあるリアルな世界。

海外一人旅のようなことを経験したことのないアタシには、この芝居で描かれた姿のリアリティは想像でしか得られないものなのだけど、でも、ここに居続ける人は、例えばスナフキンの手紙に繋がったり。

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