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2008.11.10

速報→「トランス」多田淳之介+フランケンズ

2008.11.9 15:00

東京デスロックの多田淳之介を演出に迎えて鴻上尚史の有名な一本を企画公演。85分。ストアハウスでの公演を経てSTスポットで9日まで。

高校の友人が精神科医の女のもとを訪ね相談する。偶然再会した別の男はおかまバーで働いていて、その治療に献身的で。

あらかじめここで何が起こるかを語ってしまったあと、 目隠しで演ずる役者たち。このまえの「ジャックとその主人」(1)の演出に似た手法。あるいは、「3人いる!」(1)役入れ替わり風味をプラスした感じ。もともと三人芝居としてかかれた戯曲を四人で演じ、最初こそ役を固定して後から出てくる別人格をもうひとりに割り振る前半。もとも後半では入れ替わりが激しく結局誰が誰やらになるのですが。だれが本当の患者かわからないという入れ子っぽい構造を持つトランスという芝居にはよくあっている気はします。

目隠しをして出てきた俳優たちは音や触覚で舞を測りながら芝居をしますが、三人の再会前後の間合いの取り方が役の気持ちにリンクしている感じは効果的。その反面、全編をこの手法で続けても全編にわたって効果的というほどには至らず、実験に終わった感じがするのは残念。

開演直前に出てきた演出家は落ちも含めたあらすじをざっと説明してしまいます。結果、実験的な本作でも物語を見失うことはありません。結果的には結構面白いじゃんと思ってしまうのだけれども、それは鴻上節が好きだということもあるかもしれません。この手法にみられる、物語を伝える力を失った(もしくは捨て去った)それはアタシが演劇をみるモチベーションとしては弱い。それはアタシがダンスやバレーに強い興味を持てないのと同じ根っこな気がします。

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