速報→「電車は血で走る」鹿殺し
2008.11.1 14:00
青山円形劇場での新進劇団のフェスティバル。円形という規模がよくあった一本。3日まで青山円形劇場。120分。
梅田と宝塚を結ぶ電車、沿線のブルーカラーの町。そこにある小さな工務店の仕事場。職人たちが仕事後に集まって歌劇を演じている。そこに一人の不器用な少女が現れる。父親の死をきっかけに工務店を継ぎ劇団を解散しようとしていた男たちだったが、彼女に励まされるようにして。
電車が好きな、男の子に見えるような少女。大人になることを拒否したような視点は、芝居を辞めてしまう「大人の選択」を止めさせるちから。芝居をやめ去っていく人の事情を理解しつつも自分はそこにたち続けているという、メンバーの入れ替わりを経験した彼らの視点。
いくつもの要素を詰め込んだ感、劇中劇で物語を寸断するところはあって、見せ方に荒削りな感じなのだけど、物語は力強くてコアはとてもいいホンだと思うのです。
劇中に「宝塚奇人歌劇団」なる劇団を持ち出すのは少々ストレートに過ぎる感じもしないでもないのだけど、今の作家の想いを強く映し出していることは間違いなく、劇団そのものに思い入れが無くても気持ちを巻き込んでくれる感じはします。
。 ネタバレかも。
イジメられっこだった少女、やはりあまり気の強い方ではない男の子。小学校のころ23年前にいじめっ子を見返すために初めて芝居をし、でもいじめっ子の視線が気になり少女につれなくする少年、電車が好きで神戸に行こうと約束してた翌日も、電車には乗らずそれが決定的な分かれ目になり。なんて背景、少女の実家の姿などはかなり後半になって描かれます。この部分の描き方が丁寧で、今でも模型列車を走らせる母親の造型が、ごく短いシーンなのに気持ちを揺らします。
。 芝居とか人生の岐路とか気の弱い少年時代とかさまざまな要素。特に前半ではそれが断片的でなかなかつながらない感じがあって、少々苦労します。中盤で全体は綺麗につながっていきますが、大物の劇中劇をいくつか挟むこともあって、物語がどうしても途切れがちになってしまうのです。
二つの劇中劇は、ロック歌劇風だけど有名な二つの芝居。その元ネタはいったいどれだけの人がわかるんだと思ったりもしますが、実は結構楽しい。もっともっと突き抜けて、ブルーカラーの人生とのしばしの逃避という楽しさが見たいところ。木枠を釣り下げてごく小さな照明を釣るのは 照明自体の効果はたいしたことないのだけど、屋外に見えてしまうこの広い劇場の空間を狭く見せるのに効果的。反面、チョビの見せ場を遮るのは惜しいところ。ここで木枠があがってなくなってても誰も怒らないと思うのだけど。
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