速報→「機械と音楽」風琴工房
2008.11.8 19:30
2005年初演の作品(未見)を気合の入った再演。ロシアの建築家の物語。ロシアについてググりたくなる115分。17日までロングラン。王子小劇場。馴染みのない題材ですが、スライドや当日パンフの注釈が役に立ちます。これからご覧になるならばハシゴが正面、その左側で壁が白いところのスクリーンが見える席を。舞台を超えた反対側でもスクリーンを正面に。
出稼ぎに来ていたペトログラードでロシア革命の夜を目撃し、モスクワで建築を学び始める男。その突出した才能が開花していくが高い理想に向かう美しいデザインは現実には建築できないもので。それでもデザインし続ける男、が時代は移っていき。
ロシア革命の時代の空気も孤高の天才の気持ちもわかっていないアタシです。芝居を観てあれこれググって時代背景見ていくことで奥行きが増えていくのが楽しいのです。 (wikipedia 1,2,3)。
そう、これはたった一人の天才の物語なのです。全員が認めるが現実には作れない「芸術」。自身も自信はあってでも、現実にできないことの強いコンプレックスもあって。終末期に向かう頃には周囲が頼る気持ち、なんてものも出てきて。
明るい話ではありません。ラジオ塔のシーンは例外的に明るく楽しい。水銀灯だという青い光が効果的。生演奏に近い音響はキャットウォークまで共鳴させるようで、劇場全体が楽器になる錯覚。
若手だと思っていた浅倉洋介はしっかりと立っていて理想主義の真っ直ぐさ。宮嶋美子、中田顕士郎は不安無く、もちろん。佐藤拓之のロシア的な感じは昔の双数を彷彿としてしまったり。
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