速報→「ハローワーク」国分寺大人倶楽部
2008.11.3 14:00
新作。ある種のリアルがそこにはあって、きちんと書き込まれ見応えのある120分。当日パンフに2日の追記として本公演を最後とかか。アタシは作家のその先が見たい。3日まで王子小劇場。
玩具の箱や説明書の印刷梱包を請け負う町工場の事務所。バイトが多くポジションを一日に何度もシフトていく。最近バイトから社員になったりした人も居て。ラインの改修の関係で一部の軽作業が事務所で行われることになったある日。新しいバイトが来たりしつつ。
町工場然とした事務所。バイトの統制も今一つ取れておらず、いまならもうちょっとちがう雇用形態もありそうだったり、1時間ごとのシフトってどうなのと思わないことはないのだけど、地に足のついた作家の視点は鋭く濃縮されたような濃さがあります。
前半を支えるのは作業中の無駄話というか世間話の連鎖。それぞれの人物がそこにいる他の人物との関係でキャラクタや雰囲気が変わっていくのは鮮やかです。そういう「意味のない無駄話の潤滑」が巧くないと昨今とみに感じるアタシにささくれるような気持ち。 バイトや社員という立場のちがう雇用形態みたいなこともごく普通の会社員であるあたしもずいぶんと身近になってきた昨今。主任の不器用さや最近社員になった若者の微妙な立場など、決して楽しい話ではないけれど間違いなくある種のリアルがそこにある感じ。
この循環が一回りして更にそれぞれに結末編とでもいうような物語が。群像劇というかグランドホテル形式のような盛りだくさん感がうれしい反面終わりどころというか着地点が見えづらいのは自分の気持ちの着地点をもっていくのに戸惑う感じも。まあ、2時間だってアナウンスがあるんだから分からない訳じゃないんですが。
バイトで居続けること、彼女が居ないこと、妹がいつまでもふらふらとしていること、社員との折り合いが悪いこと、彼氏が就職しないことという気持ちの淀みのようなものがそれぞれの人物に。それでもどこか視点はやさしく。
年齢や立場見たいなモノからすると主任が、人生に対する気持ちのlようなものは冴えないバイトの小林がアタシの気持ちに寄り添います。そんなフックがいくつもあって、さっと気持ちをさらわれてしまうような巧さがそこにはあるのです。
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