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2008.11.03

速報→「紅き野良犬」JACROW

2008.11.2 19:30

JACROW初の時代劇、115分。9日までサンモールスタジオ。

侍の時代、迫害を受け山中の廃村でひっそりと暮らす信徒たち。一人が殺され追っ手が迫ったのかと混乱する村。そこに一人の浪人風情が訪れ誤解が解けると用心棒になるという。更に盲目の商人と娘や落武者が現れる。村人たちの恐怖は薄れないまま、さらに一人。

それほど多く彼らの芝居をみているわけではありません。が、日常の少し先のパニックや恐怖や推理が得意なのだと思います。時代劇というフォーマットのなかで彼らの描きたい心理戦のような感じをつくりだしたいのだと思う今作。

正直なはなし、小劇場の規模では時代劇をする方が負荷は大きいはず。舞台美術の質感のようなものは実にしっかりと作られているし、派手な立ち回りこそないけど草履に素足という風体で演ずる役者たちの負担は間違いなく大きいはず。あるいはこのフォーマットを選ぶことで女性の描かれ方がどうしてもステロタイプになりがちなのも弱点なのです。それでもフォーマットをあえて選んでる理由はあると思うのです。

隔絶された世界の狂信的な結束と綻び、となれば少し前に流行った新興宗教の芝居に近いともいえます。それでもこのフォーマットであればこそ、終幕近くの場面の美しさ。あるいはこの形だと男性の俳優がカッコいいというところもあります。

あたし自身はどうしても時代劇というフォーマットで語られる小劇場の芝居というものに興味を持てずにいます。テレビでは気にならなくても、そういう「作られた」世界の言葉がアタシの好きなモノじゃない、ということなのかもしれません。となれば単に好みの問題になってしまいますかそうですか。

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