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2008.11.30

速報→「死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)」MU

2008.11.29 19:30

再演・新作の短編二編を組み合わせての公演。30日までギャラリールデコ4。「戦争に〜」が約45分、5分の休憩を挟んで「死んだ〜」が約55分。

戦争の現場で人質まで経験してきた女三人。フォークデュオに依頼した反戦歌は歌詞が自分たちの活動意図に沿わないので改訂を依頼に彼らの地元まで行って「戦争に行って来た(反転)」。
ちいさな駐在所、女が別れ話を持ってきてその相手を殺してしまう駐在。その同僚たちは事件のもみ消しに懸命になってくれて「死んだ赤鬼」

「戦争〜」は、去年の8月上演作を男女キャストを入れ替えて話を修正しての上演。もとは男性だった反戦団体と、もとは女性だったバンドを入れ替えて男はフォークデュオ、女は反戦団体に。ある種の余裕があって笑わせる場面の多かった初演に比べると、女達のイタさと、男達の脳天気さ加減が微妙なミスマッチさを醸し出します。まとまりには欠ける反面、役者達のキャラクタはより鮮明になっている感じ。足利あやはある種の軽々とした感じが好きなのだけど、イタい懸命さは珍しい感じ。こまつみちるの「普通のモテ狙い女」感のキャラクタも新鮮な感じ。

「死んだ〜」は新作。休憩時間に目がくらんで購入した缶ビールが、アナウンスよりかなり長めの上演時間と相まって、後半部分の酔いが目測を誤ったのはアタシの誤算。靴を顔に当て強く臭いをかぐシーンがモチーフになっているようで、アタシはそれを乞局的な業な性癖と観てたのだけど、それを人工呼吸器と観る見方を聞くと後半のふわふわとした足場のない夢のような感じも、殴られた男と殴った後の巡査の状況を感じさせることに腑に落ちる感じ。ただ、それは人の感想をみて(あるいは自分で)気づいたから云えることで、そこに気づかないと単に観るときの足場がなくて厳しい感じも。

これだけの役者を揃えているのだけど、両方に全ての役者を出そうしているためかどうか、特に新作の方では役の数を合わせるために苦労している感じも。オールスターにしたいのもよくわかるのですが、絞り込んだ役者でタイトにつくるものを観たいと思うし、作家自身が言っているように他の演出でどうなるか、というのを見たいとも思います。

両方を通して太田守信が舞台のアクセントになっていて印象に残ります。

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速報→「BORN TO RUN〜さよなら初代0系新幹線〜引退記念スペシャルバージョン」ギンギラ太陽's

2008.11.29 17:00

福岡拠点のギンギラ太陽'sの東京「地方公演」。5月に上演されたタイトル作・新幹線の物語に、7月に上演された「女ビルの一生」の短縮版(というより、アタシが未見のオリジナル版のよう)を間に挟んだ構成で85分。12月7日まで、あうるすぽっと。

もちろん開演前の撮影タイムは健在。カメラをお忘れ無く。東京公演には豪華なパンフレットがあって、薄いながらも1000円とは思えないぐらいの読み応え。タダでさえ費用のかさむ旅公演でこの豪華さは特筆に値します。手抜き有償パンフを売る劇団はこれを模範として欲しいぐらい。

福岡の、云われるギンギラですが、今作自体は特段福岡という訳ではありません。 福岡の公演にはあった、福岡回りの小ネタをすっぱり切り落とし、そこに廃業した百貨店・福岡玉屋(wikipedia)の物語「女ビルの一生」を組み込んだ感じ。

老体にむち打ち東京までの暴走劇を繰り広げるという荒唐無稽は楽しいものの、物語としては一直線に走り続ける話で、少々食い足りない感じは残ります。

客席がどれくらい福岡出身者かはわかりませんが、全体として客席が盛り上がったのはむしろ、おまけと位置づけられる20分強の「女ビルの一生」の方なのです。今は東京在住な客席は福岡ではそれなりに受けた「リバレイン」(wikipedia)といった最新の福岡事情よりは、ヤング大丸や岩田屋ぐらいの少し古めの天神の話題を中心に客席は沸き立ちます。そういうネタを別にしても、物語としての剛性があるのはこちらの方だと思います。西日本新聞や市役所との浮き名を流すマダム大丸(wikipedia)というキャラクタは強烈で、エルガーラお嬢様と玉屋さんの三人ならぬ三ビルが並ぶだけでも泣けてしまうのです。

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速報→「1% Monster」負味

2008.11.29 14:00

コントに強みだと思っていたら、本格サスペンスと題した135分。30日まで王子小劇場。土曜昼は満員の入り。

スコットランド、ギャロウェイ海岸に建つ一軒家。親子四人で暮らしている家に、記憶を失った男が転がり込む。出かけた母親は帰らず、やがて死体として発見される。その死体はまるで塩漬けのように、塩分量が過多になっていて。

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2008.11.28

鉄道に思いを馳せつつ。

なんだかんだいっても、アタシの原点なのです。クモハ、みたいな型式番号とか時刻表とか、乗換案内の実験(上智大学が渋谷駅の改札前に端末を置いていたなぁ。多分、テレホンカードとか伝言ダイヤルとかと同じ頃)とか。

今年は火が付いたようにあれこれ。福岡に通うために寝台、新幹線、帰り道は在来線乗り継ぎでクタクタになったり、あれこれ。0系新幹線のラストラン、営業運転は今月一杯。12月は特別運転(ひかり、で運転らしい)。

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2008.11.25

速報→「グッドナイトスリイプタイト」パルコ劇場

2008.11.24 19:00

三谷幸喜の新作。28日までパルコ劇場、そのあと新年から大阪。120分とありますが、アタシの観た回は130分弱。三谷幸喜の開演前アナウンスを聞くべく、開演10分前に、ぜひ。

30年目の夫婦、妻が出ていく日。思いでのもの、昔の喧嘩、シェア出来ていたはずの思い、すれ違い。

円形のまわる舞台、下手に楽隊、筒状の壁が開くとベッドが二つ。広い寝室、大きなベッド。上手の上方には数字の表示。気持ちとか経過とかを示すさまざまな工夫は見やすく、前後関係も把握しやすいのです。その安心感の中で、二人の細やかな感情の移ろいを見続けるのです。

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速報→「いまさらキスシーン」柿喰う客(企画公演)

2008.11.24 15:30

柿喰う客の一人芝居企画公演。25分。24日まで王子小劇場のあと、大阪。

国道をひた走る女子高生。短い高校生活をエンジョイすべく勉強にも部活にも恋にも、忙しい日々は走りすぎていく。

高校入学からの何でもできる感の高揚を失踪するセイシュンの日々というのはこちらも同じ。時間の短さと、男優が女性を演じるコスプレな感じと、演じられている人物の万能感が薄いのが幸いして、アタシはこちらの方が好み。

終盤にダークさはあるものの、七味まゆみ版に比べると前向きな終わり方のおかげで、楽しさが先に立つ感じでいい印象だったりもします。役者のチカラは確かにあるのだけど、物語を書こうという気はこちらの方があるんじゃないかと思ったりも。

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2008.11.24

速報→「ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3(Aプロ)」ZOKKY

2008.11.23 20:00

ZOKKYのAプロ。当初予約していた18:00前後の回は機材のトラブルで振り替えの対応。多少のバッファを持っていたようで、なんとか観ることが出来ました。

全体的にみると、Bプロの方が突き抜けてエロな感じが強くて、アタシの好みなのです。たくさんのバリエーションを持つことがこの手の小品の価値ですから、そういうこと気にせずどんどん作ってほしいわけですが。

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速報→「いきなりベッドシーン」柿喰う客(企画公演)

2008.11.23 19:00

七味まゆみの一人芝居。50分。24日まで王子小劇場。

清水の舞台からダイブした女子高生、警察に事情を聞かれて答えるには、入学式の日からテンション高く何にでも興味を示していたのに。

柿の口調というか、多くの台詞を短時間にものすごく早口でつめこむ方法はそのまま。一人芝居を、ほぼモノローグのように語らせて、闇を描きたい、のではないかと思います。

何にでも興味を示す女子高生は入学式の日からクラスのすべての委員に立候補し、すべての部活に入ろうとし、恋もしてという前向きポジティブさ。が、教師の一言、「青春のダークサイド」で気づいてしまった、クラスでいじめられる立場。それも前向きでつっこんでいき、どんどん深みにハマっていくのです。描写は悲惨だけれどドライ、というのもいつもの感じとはあまり変わりません。客席の笑いが少ないのは題材ゆえか、狙ったものか。

なにか、ひっかかるものを感じて仕方ないのです。 痛みさえも何でも知っているよ、それを前向きにとらえているよ、という自信満々な自分中心という強烈なアピールにあてられる感じとでもいいましょうか。人数が多ければいろんなキャラクタが居るのだけれど、一人芝居ならばそのキャラクタだけになるわけで、アタシの苦手な感じになってしまうというか。

緩急のついた芝居は見つづけさせる力はたしかにあって。、序盤はどこか落語のような上下の切り方がちょっと面白い。が、物語がアタシにはちょっと苦手なのは、悲惨だったりいじめを扱ってるからというだけではない何かのひっかかり、なのです。

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速報→「中嶋正人」studio salt

2008.11.23 14:00

スタジオ ソルトの第二回公演の改訂再演(アタシは未見)。劇団としても10回公演、テレビ神奈川などの情宣にも力が入ります。30日まで相鉄本多劇場。100分。

刑務官として赴任した若い男。上告している若い死刑囚の担当となる。変わったばかりの法務大臣は前任者が手をつけなかった執行命令をいくつも出していて。

法の下での死刑の執行は殺人ではないのかという、死刑にまつわる議論の最小限のステークホルダーの男たち。執行官たち、命令を出す側、被害者、死刑囚。作家自身にももちろん主義はあっても、ひたすら彼らのそれぞれの立場をまっとうに語らせ続けます。 蟷螂の下りや、刑務官と父親、刑務官たちのバカ話、法務大臣と秘書などに一見とってつけたような背景を描いて見せますが、意図したものかは別にしてある種の「どこにでもあるような背景」が、その人物が書き割りの役ではなく、どこにでも居る人間が「たまたまその役になってしまった」というロールプレイの一つであるように感じさせます。

正直に言えば、よく議論されることを舞台に乗せたという感じはあって、この議論の先にある何かをみたいという気がしないでもありません。が、このロールプレイ感は、裁判員(日本版の陪審)が身近に迫った今見ると、この舞台には描かれていないけれども、自分がそのステークホルダーの一人になりうるということは身に迫って感じられるのです。

ソルトの本公演としては珍しく、イントレで組まれた抽象的な舞台。あまりに違いすぎるさまざまな場所を描いているということもあるけれど、縦横に組まれた鉄パイプがさまざまな繋がりを表しているように思えたり、冷たい感じもよく出ていて。

食べることに拘る彼らは、甘い食べ物のさまざま。同じものを食べ、同じものが好きと語らせることで、いつでも交代しうるロールプレイ感がよくでています。 物語とはまったく関係ないのだけど、独身の刑務官ふたりの飲み会でのシーンが個人的には好きなのです。

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2008.11.23

速報→「ア・ラ・カルト」青山円形劇場プロデュース

2008.11.24 18:00

毎年の風物詩、20周年記念。休憩込み180分。26日まで青山円形劇場。夜公演のワインサービスは今年も有料、ソフトドリンクは無料で。ロビーにはこの20年のメニューや写真。でも通路スロープの狭いところなので、なかなか見られません。見るなら早めに。20周年の有料記念パンフは薄いながらもなかなか見応え読み応え。

女が一人でやってきて今年も良縁もなく「開店〜ウイスキー・フロート」。 タカハシと典子さんはこの20年を振り返りつつ、あの日を思いだそうとして「お熱いのがお好き?」。 男女二人組、やけに料理に詳しくて、それなのに店員の蘊蓄とちぐはぐで「フランス料理恋のレシピ小事典」。 ショータイム。休憩を挟んで、 マダムとゲストの会話「マダムとクリスマス」。 娘と父親、子供な娘が急に大人になって「恋とパパとワタシのフクザツな関係」。 老夫婦の思いやる気持ち「ラストダンス」。 閉店の人々の、ちょっと幸せになる感じ「閉店〜アイリッシュ・コーヒー」。

20周年と聞けば、変わらないことにこそ価値なのだけど、振り返って見れば少しずつの変化を楽しむのも風物詩の楽しさ。あたしは10周年(1998)からこっちしか観てないけれども、タカハシと典子さんは結婚し、ラストの乾杯のセリフは変化してたりと。

今年の出色は娘と父親の会話。バツイチ父に久し振りに会った娘の相談、ブランデーケーキに酔ってもちかけた相談が20歳とはいかないけど成長を眩しく思う父親感慨みたいな仮想体験。今年セリフに入ってくるアルコールも、メルシャン(スポンサー)では扱ってないのにウイスキーが多くなってる気がするのは珍しい。流行と云うことか。

今年はFブロック。数年前に感じたのと同様の、完全に裏側な感じ。 10年続けてもうまく演出ができないのならば、無理に円形に拘らなくてもいいのではないかと思ったりもします。全部のシーンがきちんと見えることを要求したいわけではなくて、囲まれていることを意識して正面が固定されてないように客に感じさせることくらい、青山円形最古参に近い彼らに出来ないはずがない、と思うのだけど。

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速報→「怪人21面相」パラドックス定数

2008.11.22 15:00

前回公演にゆるやかにつながる再演作。120分。24日までスペースエッジ。劇場の構造上、途中入場が難しいのでご注意。また、昼公演でも終演近くになると冷え込みますのでその対策も。

それぞれの動機で犯罪を始めた男4人。菓子メーカーの社長誘拐で幕を開けた劇場型犯罪、その犯人側のアジト。

男たちのガチな会話を楽しむこの劇団。実は一生懸命に生きる人々のことをきっちり描き出すのです。

つかまらないまま時効になった事件。グリコ森永事件(wikipedia)と総称されるあの事件の一年間。それぞれの動機、それぞれの背景の深すぎる感じ。「三億円事件」が職場の軋轢を描いているのに比べると、距離感を保ったままだったから、あるいはわからないからこそチームが組めたという対比。各々の背景を知ると変わる距離感がスリリングな後半。

「はれもの」を扱うシーンはアタシには薄氷の上を歩くような危うい感覚。全編作家の想像力で描かれていますからそんな事実あるかどうかわかりませんが、あるかもしれないと思わせる感覚は健在。意外に覚えてなくて、こういうネタの芝居に対するアタシの拒否反応があるかもしれません。

いつものとおり、少ない道具立てできっちり作り込まれた空間。 昼間の明るい場所が似合うのはパラドックス定数には珍しいと思うのだけど、多分夜公演でも同じように見えるように窓の外に細工しているのでしょう。でも昼間な感じは見ていて楽しい。

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2008.11.22

メモをとる。

パソコンとか携帯で書くのが早いのですが、ついつい分量が増えてしまうのです。

芝居に関して言うと、芝居を観ながらメモを取ってしまいます。そういう客は嫌だなぁということはわかっていても、自分の記憶が信用できませんから、そのキッカケを記録したいと思ってしまうのです。

チラシを眺めながら、裏が白い普通紙を探して、横に置いて縦の折り目で四つ折り。長いジャバラ折りに。プラマンという筆記具(ぺんてる。てっきり使い捨てだと思ってたけど、カートリッジが替えられる..)。で手許を見ないで書くのです。まあ、読めないのですが。

会社でのメモも最近は手書きが多くなっていて。A4ノートにガシガシ。あとでメールにまとめるのは時間がかかりますが、絵も何でも描けるのは気楽で。

レビュー用には、大昔のHP200LX(レビュー書きでもう一人使ってる人がいた)のあと、ケイタイを経て、W-Zero3 advanced [es](amazon) にUSBキーボードだったり、EMONSTERにBluetoothキーボード(iGo Stowaway Ultra-Slim)が最近の道具。新しく買ってしまったポメラ(amazon )も悪くはないのだけど、結構大きいなぁ。でも気がつけばずいぶん書いてしまうというのは相性がいいのかも。

三連休、それでも激戦。

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2008.11.21

速報→「ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3(Bプロ)」ZOKKY

2008.11.20 21:10/21:35/21:40

のぞき穴演劇、まさかの初日前に前売り完売。当日券がないわけではないですが、早い時間に売り切れるようです。各5分。24日まで王子小劇場・裏。劇場の表からは入れませんから、裏手に回って駐車場横のターンテーブル横のZOKKYの看板を探しましょう。

当日パンフで主宰自身が書いているとおり、ギャグでエロで、それも痴女ものというライナップ。5分という短い時間ではそうそうモノガタリを語るわけにはいきませんから、勢い思いつきのおもしろさや、あるいは見た目の凄さなど、何かたったひとつの一点突破をねらうようになっていて、それは成功しています。同じようなキャラクタといえばそうなのに、バリエーションに感じられるのは、その色づけがされているからに他なりません。

前回の安定した感じはそのまま。待合室のシステムは進歩 していて、説明書が用意されていたり番号札がネックレスタイプになっていたりと、効率的になっていたのは、予約というシステムのおかげ。こんなにも効率がわるいことを続けているのは、それを表現したくてならない気持ちが原動力なのでしょう。あふれるような気持ちが、突き進むことを後押ししている公演というのは、それが結果的にくだらなくても、気持ちがいいなぁと思うのです。

芝居とは関係有りませんが、エレベータからちゃんと雰囲気、受付周りもシンプルで綺麗。テーブルの上に紙やパソコンがあるのは当然ですが、ちゃんとしている感じが実にいいのです。あるいは、キャラクターとしてのメイド娘は美形だけじゃなくて、ちゃんとホスピタリティ。長い時間だとは思うのですが、本当にお疲れさま、なのです。

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2008.11.17

速報→「森のゴムドン SPECIAL EDITION」売込隊ビーム

2008.11.16 17:00

売込隊ビームの、企画公演的な楽しさ満載のシリーズ作、東京では初めての上演だと言います。16日まで小劇場・楽園。90分。

森でキャンプをするカップル。そこに現れる森の生き物「ゴムドン」。喋ることにイチイチボケたり苛つかせたりする。その保護者らしいガルベスを探しに行った女を、男は待ち続けるうち。

初演というかたぶん企画用に作られた初出が1997年なのだといいます。ゴムドンというタイトルがついた2002年を経て2007年には三部作になったものをベースにしているよう。 かぶりものだったり、全身タイツだったりと、キャラクタ全開のつくり。 役者も年齢を重ねているけれど、そんなことで恥じらっている場合ではありませんから、もちろん彼らはきっちり。ボケる女優に男優が突っ込んでいくというのが全体の流れ。

たぶん最初は、こんな壮大な話じゃなかったはずの、単に笑わせてなんぼだったと思うのです。いくつかのストーリーを継ぎ足していくうちに、ブラックな味わいも強くなり。全体で見てみると、ほのぼのキャラなのにブラックという、絵本のような仕上がりが楽しいのです。三谷恭子、小山茜、梅本真理恵、竹田桃子といった女優のあれこれを楽しむのが吉なのです。

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2008.11.16

速報→「冒険王」青年団

2008.11.16 14:00

新たなキャストによる三演め。12月8日までアゴラ劇場。100分。

イスタンブールの安宿。ずっと逗留している人々。

青年団のいわゆるベテラン層の山村、志賀という再演に比べるとぐっと若返った印象。それでも役の設定からすればそれが普通なわけで。個性的な役者に依存していたかと思っていたら実はそうでもなくて、世代交代をしてもびっくりするぐらい印象は変わりません。

当日パンフよれば前作「眠れない夜なんてない」に対比すると、かつてはたしかに退廃を描いたはずの本作の若者の姿が今の目で見れば真摯に見えるのだと作家は言います。テキストや演出をどれだけ変えたかはよくわかりませんが、ここにとどまり続ける人々の話というよりは、ここを通過点とする人々の話がより強く印象に残る感じがして、それが作家の言う「明るい、積極的な」ことだと感じるのです。

それは日本という国が時間を経てどうなったかというよりは作家自身もアタシも年齢が進んで、人物たちの若さがすでにまぶしく見えて手に入れられない側に足を踏み込んでしまったという、見る側の立場の変化が大きく影響している気がしてなりません。

石橋亜希子演じる女性客は初演再演の後を継いで、きちんと、実にしっくりくる感じ。大竹直、古舘寛治、大塚洋も独特の雰囲気で印象に残ります。

さすがに時代を感じないわけには行きません。ちゃんと動いてるらしいウオークマン初代(ヘッドホンのイヤーパッドはオレンジにしてほしいが)とか、北の湖とか、平凡パンチとか。もちろん一番違うのはネットとか携帯電話がなくて、口コミで情報が伝わるということ。テレビもろくにありませんから、戦争とか内紛とか江夏とかの話題にタイムラグがあるリアルな世界。

海外一人旅のようなことを経験したことのないアタシには、この芝居で描かれた姿のリアリティは想像でしか得られないものなのだけど、でも、ここに居続ける人は、例えばスナフキンの手紙に繋がったり。

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2008.11.15

速報→「すてるたび」五反田団

2008.11.15 19:30

意外なことにアトリエヘリコプターでの本公演は初めてなのだといいます。80分。25日まで。初日は当日券客7人は入れました。ロビーカフェの手作り感溢れる可愛らしい100円蒸しパンもぜひ。

男が寝転がっている。姉や兄が通りかかり、父親の箱を開けただろうと云って責め立てる。兄はいいものをみせてやるといって「タロウ」を見せるが、父親に見付からないように隠れて飼おうと言い出す。ベンチで座る男にもう一人女が近づき。

シアターガイドのインタビュー記事を読んでも、生きることだの死ぬことだのに深く傾倒している感じの作家の最近。作家の云ってること全部がわかるわけじゃないけれど、断片のように昔の話、今の話、今のじゃないどこか夢のような話が入り乱れ、「ごっこ遊び」のように自在に変化していく様をたった4人の役者と4脚の椅子だけで描き出していくのです。葬式だったり、車窓の四人だったり、温泉での会話だったり。シーンの転換は唐突だし地となる部分がどこかよくわからないこともあって、物語として一貫している感じもあまりありませんし、終盤に向かってどんどん妄想感も高まります。

とはいえ、この積み上げで何かを描こう、描きたいということはよくわかるのです。それをアタシが感じ取ってるかというと、はなはだ怪しいわけですが。笑いの殆どは黒田大輔の所作だったり表情だったりに依存している感じはあるのですが、単純なことだけに見続けさせる感じはあります。

そんな話の運びとはまったく別に、久し振りの気がする黒田大輔の困った風やら子供風、前田司郎との掛け合いも楽しい。女優二人も実にいい感じなのです。

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速報→「ミチクサ-前に進まない話に浸る幸せ。」tea for two

2008.11.15 14:00

tea for twoの新作。どこかコンゲームのようなしかし心温まってしまう90分。16日まで、「劇」小劇場。

小学校の同窓会。肝心の恩師は風邪でこられず、話題をいくつか託された娘が出席する。あのころのわだかまり、今の格差、あのときの想い、覚えてないことなど、話題が微妙なまま、同窓会は一応進んで。

31歳、11年ぶりの同窓会。あのころはバカにされてたのに出世してたり、いい年して夢を追いかけてたり。それぞれにタブーやNGワードを持っていて、八方ふさがり、できる話題はどんどん狭まり、仲が圧倒的によかったわけでもないから話題があっという間になくなっていき。なんて盛り上がらない同窓会を延々。

盛り上がらない宴会の微妙な空気感、それをなんとかして形にしようとする出席者たちの無理矢理さは同感できる感じ。反面、それを延々続ける芝居の運びは終盤近くに至るまでほとんどそのまま。たしかに気まずい感じはよくでてはいますが、見てるあたしは少々飽きる感じも。

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速報→「瀧川先生のエロメール添削講座vol.3」

2008.11.14 19:30

mixiのコミュニティから派生した、迷惑エロメールに対する「添削」という突っ込みをするスライド+トークショーの第三弾。この手のトークイベントの聖地、ロフトプラスワン。160分。

テキストをぽちぽち打ちながらのご挨拶「オープニング」。
のどかな田舎からこのイベントのために先生は東京に出てきた風の「オープニング映像」と 「乾杯」を挟んで、
出会い系サイトでのユーザのハンドルの妙なものを拾っていく「変ドルネーム」。
出会い系サイトでのプロフィールの文章を突っ込んでいく「出会い系掲示板添削」。
そしてマンガ喫茶を拠点に出会い系サイトで本当に出会えるかの実験ルポ。
休憩を挟み
発掘したという高校生のころの日記へのセルフ突っ込みスライド「高校1年生の瀧川君が入学早々に恋をして告白するもアッと言う間に フラれる様子を高校生の自意識全開で書き上げた日記を15年後の瀧川 先生が添削するログ」。
客席から募集してベスト5を発表(景品付き)「あり得ないメールタイトル」。
そして、メインネタとなるいわゆる迷惑エロメールをスライドで見せながらつっこんでいく「エロメール添削」。

ほぼ一人でずっぱりの二時間半、一人で喋りきるマラソンのよう。ネタは出会い系だったりエロメールだったりなわけで、そこに何かの意味があったりはしないし、基本的に突っ込みやテンションといった、瀧川自身の喋りのおもしろさでの一本勝負。多分、文章でこのつっこみをやってもそうは面白くなくて、これをこういう閉ざされた空間で酒も入って笑うというイベント形式にするのはよくあっていると思うのです。

今までの会場の三倍近い規模のロフトプラスワン。フタを開ければ満員で入れなかった当日客も居たとか居ないとか。その切っ先は鈍ることはなく、180名の客をきちんと笑わせるチカラ。 客席の半数以上を女性客が占める感じ。そのなかでも「第17捕虜収容所」から引っ張ってきたジャニーズファンのような若い女性も多くて。その彼女たちを相手にエロメールネタの難しさも。笑うつもりできてるわけだから大部分はネタとして笑ってくれても、なにをきっかけに客が引くかわからないという怖さがあって、反応を細やかに見ながら、客席のテンションを持続し操るのはたいしたもの。

この手のイベントとしてはここまでくればある意味頂点ではあるのだけど、もっと先が見たいと思わせ、走りきったのです。

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2008.11.13

開いていく。

イープラスが11日から稼働させた新サービスはちょっと凄いのです。チケット販売システムのオープン化なのです。

アマチュアでも、結婚式の二次会でもチケットを販売する仕組みなのです。サイトはイープラス内、発券や決済も完備。商業的なものと、アマチュアのそれが同列に扱われると、eplusにそれはどうなのかということになりそうな気はします。

CoRichは決済機能を持ちませんから、競合しないでしょう。競合するのはゲッティやその派生システムでしょう。これはどちらにどうなることか。

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2008.11.11

速報→「七人は僕の恋人」ウーマンリブ(大人計画)

2008.11.9 19:00

宮藤官九郎のユニット。女優七人を揃えたコント芝居だといいますが。120分。12月7日まで本多劇場、そのあと兵庫。

三人の中で生き残るのは誰か、でももっと先輩もやってきて「生きる」。 女生徒ばかりの教室、丸められたティッシュが椅子の上にあって、その犯人は「バトルロワイヤル」。 ビーチバレー選手の腹から「遊星からの物体X」。 精悍な音楽に乗って殺陣を決める伊勢志摩は「夢」。 歌舞伎町の保育園、保母は不幸だし親も怪しいし「サウンドオブミュージック」。 映画キャンペーンのためにバラエティ番組に出演したイケメン俳優が「ブラックレイン」。 ハナマルを貰った作文は自分じゃなくて同姓の友達の作文で、それを読みながら「友だちのうちはどこ?」。 何十年も通い続けた温泉地、もう今年はやめようと娘が云うが「ゾンビ」。

映画のタイトルになぞられた8本立て。もちろん映画のストーリーとは何の関係もなく、馬鹿馬鹿しいコント芝居。女優を揃えて女優コント、という意図で始めたようですが結果そうはなっていなくて、池田成志や荒川良々がどうしても真ん中に来てしまう感じは有って。 意味無しの軽いコントだということはわかっているし、それ自体は嫌いじゃない。客席はきっちり沸き立ちますが、なんか釈然としない感覚が抜けません。これだけの役者を揃えたのだからもっと、という気持ちかなぁ。なんか余芸のような手抜き感というのか。そんな風に軽々とやってるように見せてる、ということなのかもしれませんが。

「夢」の思いつきだろうネタの掴み、そこからそんな筈はないと自答していく繰り返し感が楽しい。「バトルロワイヤル」の平岩紙が妙に可愛くて印象的。 「ゾンビ」は池田成志好きならば楽しめると思いますが、少々だれる長さな感じもあって。

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2008.11.10

速報→「トランス」多田淳之介+フランケンズ

2008.11.9 15:00

東京デスロックの多田淳之介を演出に迎えて鴻上尚史の有名な一本を企画公演。85分。ストアハウスでの公演を経てSTスポットで9日まで。

高校の友人が精神科医の女のもとを訪ね相談する。偶然再会した別の男はおかまバーで働いていて、その治療に献身的で。

あらかじめここで何が起こるかを語ってしまったあと、 目隠しで演ずる役者たち。このまえの「ジャックとその主人」(1)の演出に似た手法。あるいは、「3人いる!」(1)役入れ替わり風味をプラスした感じ。もともと三人芝居としてかかれた戯曲を四人で演じ、最初こそ役を固定して後から出てくる別人格をもうひとりに割り振る前半。もとも後半では入れ替わりが激しく結局誰が誰やらになるのですが。だれが本当の患者かわからないという入れ子っぽい構造を持つトランスという芝居にはよくあっている気はします。

目隠しをして出てきた俳優たちは音や触覚で舞を測りながら芝居をしますが、三人の再会前後の間合いの取り方が役の気持ちにリンクしている感じは効果的。その反面、全編をこの手法で続けても全編にわたって効果的というほどには至らず、実験に終わった感じがするのは残念。

開演直前に出てきた演出家は落ちも含めたあらすじをざっと説明してしまいます。結果、実験的な本作でも物語を見失うことはありません。結果的には結構面白いじゃんと思ってしまうのだけれども、それは鴻上節が好きだということもあるかもしれません。この手法にみられる、物語を伝える力を失った(もしくは捨て去った)それはアタシが演劇をみるモチベーションとしては弱い。それはアタシがダンスやバレーに強い興味を持てないのと同じ根っこな気がします。

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2008.11.09

速報→「邪沈(ヨコチン)」乞局

2008.11.8 19:00

ねじれて怖い物語が得意な乞局の新作は「わずれな」の前日譚だといいます。100分。笹塚ファクトリーで10日まで。

狭い妻を殺した夫。浮気の果てに孕んだ女。相手の男の妻も乗り込んでくる。その土地には人間の圧葬という風習、それは禁止されて再就職の斡旋とかで町がばたばたしている。みんなが近所だったり親戚だったりする狭い町なのだけど、そこにはカースト的なものがあったりして。

ねじれねじれた物語。作家の妄想が炸裂する感じ。夫婦の話の面倒くささ(知らないけど(泣))とか、浮気相手との関係とか(知らないけど)、近所の人々とか。疑い、怒鳴り、衝動で動くのは裏に理由があるのを描いたりと、人間の愉快じゃない行動をえぐり出すように描く作家の真骨頂。

スカスカに見える舞台にはちゃんと理由があって、前半ではびっくりするぐらいに美術を早替えし、後半では種明かししつつ、スピード感とか。時空を飛び越える瞬間は作家の茶目っ気。

中島桂子の主婦役は珍しい。キレイ。山崎ルキノのいらつく役はうざったく凄い。弁当のシーンなんか特に。岩本えりに釘付けになっちゃうあたしはどうなんだ。こいけけいこという役者は使いこなすのが難しいのだけど、本作は「普通の役」をきちんと出来ていて、思えばなぜ他の舞台ではこういう役があてられないのだろう、と思うのです。

アタシは始めていく劇場。芝居の後にふらふら歩いて入った居酒屋で聞いたらもとは映画館なのだそうです。

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速報→「テキサス芝刈り機」クロムモリブデン

200811081530

青山円形劇場のフェスティバルの二つ目。110分。9日まで。

電車で痴漢に間違われた男たちと、言い張る女たちがさらわれるようにきた場所は、木を伐採し芝生となった場所で、痴漢冤罪やら予備軍やらが芝刈りをしている。そこに電車脱線事故唯一の生き残りとそれを取材する記者もやってきて

当日パンフで書かれているようにゴルフはイメージとしては多用されているのだけど、物語は列車脱線事故の話を枠組みにして、そこにいる人々を痴漢だの痴漢されただのという構成にしています。脈略なく次々と出てくるキャラクタが話を拡散ばかりさせていく感じなのはいつものとおり。

青山円形という劇場はそれほど広い劇場ではありませんが、不条理な物語そのものではなく膨大な音と動きで空間を制圧することが身の上の彼らの初戦としては少々手間取っている印象はあります。ふつうの芝居としてみればちゃんと空間を埋めているのだけど、物語に頼り切ることができない彼らの芝居は、もう一段上のハードルになるのです。

痴漢だのなんだのと脱線事故は電車にまつわる話だということ以上には無茶な繋がり。観客を引っ張るためには相当に大変なわけで。役者陣は新たに加わった幸田尚子(歌声がいい、男装の麗人。)も含め安定しています。でも、空間のせいかどうか、劇場を制圧しているというところまではいけてない感じがするのも事実で。

電車の脱線転覆、その中でしばらく生きていたらしい人々の話なのだけど、そこに何かの救いがあるかというと今一つ見えてきません。当日パンフのように、神戸で脱線転覆でとなるとどうしても現実の事故へのリンクをしてしまうわけで、決して悪意はない作家なのはわかってるのだけど、この手の軽い感じの仕上げにして作るには現実が重すぎるなとも思うのです。当日パンフで作家が危惧していた「フザケている」という印象になってしまうのです。もちろん今までの彼らの芝居からそういう気持ちで作るような人々でないことはわかっていますが。「ボーリング・フォー・コロンバイン」に題材を求めた「ボウリング犬エクレアアイスコーヒー」ではそうは感じなかったわけで、それはつまり身近に感じる話なのかどうか、ということだけなのかもしれません。

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2008.11.08

速報→「機械と音楽」風琴工房

2008.11.8 19:30

2005年初演の作品(未見)を気合の入った再演。ロシアの建築家の物語。ロシアについてググりたくなる115分。17日までロングラン。王子小劇場。馴染みのない題材ですが、スライドや当日パンフの注釈が役に立ちます。これからご覧になるならばハシゴが正面、その左側で壁が白いところのスクリーンが見える席を。舞台を超えた反対側でもスクリーンを正面に。

出稼ぎに来ていたペトログラードでロシア革命の夜を目撃し、モスクワで建築を学び始める。その突出した才能が開花していくが高い理想に向かう美しいデザインは現実には建築できないもので。それでもデザインし続ける男、が時代は移っていき。

ロシア革命の時代の空気も孤高の天才の気持ちもわかっていないアタシです。芝居を観てあれこれググって時代背景見ていくことで奥行きが増えていくのが楽しいのです。 (wikipedia 1,2,3)。

そう、これはたった一人の天才の物語なのです。全員が認めるが現実には作れない「芸術」。自身も自信はあってでも、現実にできないことの強いコンプレックスもあって。終末期に向かう頃には周囲が頼る気持ち、なんてものも出てきて。

明るい話ではありません。ラジオ塔のシーンは例外的に明るく楽しい。水銀灯だという青い光が効果的。生演奏に近い音響はキャットウォークまで共鳴させるようで、劇場全体が楽器になる錯覚。

若手だと思っていた浅倉洋介はしっかりと立っていて理想主義の真っ直ぐさ。宮嶋美子、中田顕士郎は不安無く、もちろん。佐藤拓之のロシア的な感じは昔の双数を彷彿としてしまったり。

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速報→「死立探偵」ジャブジャブサーキット

2008.11.7 14:00

ジャブジャブサーキットの新作。110分。9日までスズナリ。

ジャズの流れる喫茶店。夜はミステリー好きが集うこの店には扉があって、その向こうには元探偵の男が住んでいる。今は仕事を受けないが、彼に依頼しようと謎めいた女が訪ねてくる。この店を出たら自分は姿を消すので、半年以内に探してほしいのだという。

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2008.11.07

ひさしぶり。

昔のパソ通(通じないねこれ)の知り合いと立て続けに会う。

アタシだってだいぶ歳とってるし、向こうだってそうなんだけど、変わらない会話。ついつい呑んでしまうけど、ついつい会話が長くなるほど楽しくて。

今日は休み、マンションの点検は早々に終わったので。

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2008.11.04

速報→ハマのメリー伝説「市電うどん~特盛版~」横浜未来演劇人シアター

2008.11.3 18:00

横浜を拠点とする未来演劇人シアターのパワーアップ再演だとか。アタシはこの演目初見です。135分、3日までみなとみらい・新高島駅近く。

街のベンチにうどんを運び、ゆっくりと寝るハマのメリー。うどんの中身は人生で。なかなか来ない「市電」に乗って向こう側に行くのをまっている人々がひとときうどんを啜りながら。

維新派が物量だとすると、今作は人数で見せる仕上がり。テントの外に広がる舞台、狭い舞台の上で沢山のひとが踊るのは圧巻で。わりとリズムが一定な維新派よりもポップな曲も多くて見やすい。緩急が楽しいのです。

アタシも記憶にはほとんどない横浜市電を銀河鉄道のような、魂の乗り物としてのモチーフ。トロリーバスなんて言葉も聞こえたりするのは楽しい。電停の数え唄も楽しいのだけど、そのとき路線図が手許にあったらなぁ。

芝居としちゃ、その市電待ちの男達が立ち食い蕎麦を食べながら人生について語り合うシーンが好き。ダンスというかパフォーマンスとしては、つり下げられた布2枚にぶら下がりながらのパフォーマンスが凄い。

ハマのメリーというのは横浜には少ない都市伝説の一つ。わりと最近取り上げられることが多いのですが、その終盤の人生でリアルタイムに市民だったアタシとしては、子供だったからか実は印象になくて、でも一般的な空気として「みなかったこと」にしていたんじゃないかとも振り返るのです。それが今さら取り上げられるのは、別に未来演劇人シアターのせいではないけれど、違和感があったりもします。

それでもこの圧巻はこの手のダンスや音楽劇があんまり得意でなくても、ちゃんと見続けさせる力があるのです。これだけの人数の統率された舞台ということかもしれません。

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速報→「ハローワーク」国分寺大人倶楽部

2008.11.3 14:00

新作。ある種のリアルがそこにはあって、きちんと書き込まれ見応えのある120分。当日パンフに2日の追記として本公演を最後とかか。アタシは作家のその先が見たい。3日まで王子小劇場。

玩具の箱や説明書の印刷梱包を請け負う町工場の事務所。バイトが多くポジションを一日に何度もシフトていく。最近バイトから社員になったりした人も居て。ラインの改修の関係で一部の軽作業が事務所で行われることになったある日。新しいバイトが来たりしつつ。

町工場然とした事務所。バイトの統制も今一つ取れておらず、いまならもうちょっとちがう雇用形態もありそうだったり、1時間ごとのシフトってどうなのと思わないことはないのだけど、地に足のついた作家の視点は鋭く濃縮されたような濃さがあります。

前半を支えるのは作業中の無駄話というか世間話の連鎖。それぞれの人物がそこにいる他の人物との関係でキャラクタや雰囲気が変わっていくのは鮮やかです。そういう「意味のない無駄話の潤滑」が巧くないと昨今とみに感じるアタシにささくれるような気持ち。 バイトや社員という立場のちがう雇用形態みたいなこともごく普通の会社員であるあたしもずいぶんと身近になってきた昨今。主任の不器用さや最近社員になった若者の微妙な立場など、決して楽しい話ではないけれど間違いなくある種のリアルがそこにある感じ。

この循環が一回りして更にそれぞれに結末編とでもいうような物語が。群像劇というかグランドホテル形式のような盛りだくさん感がうれしい反面終わりどころというか着地点が見えづらいのは自分の気持ちの着地点をもっていくのに戸惑う感じも。まあ、2時間だってアナウンスがあるんだから分からない訳じゃないんですが。

バイトで居続けること、彼女が居ないこと、妹がいつまでもふらふらとしていること、社員との折り合いが悪いこと、彼氏が就職しないことという気持ちの淀みのようなものがそれぞれの人物に。それでもどこか視点はやさしく。

年齢や立場見たいなモノからすると主任が、人生に対する気持ちのlようなものは冴えないバイトの小林がアタシの気持ちに寄り添います。そんなフックがいくつもあって、さっと気持ちをさらわれてしまうような巧さがそこにはあるのです。

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2008.11.03

速報→「紅き野良犬」JACROW

2008.11.2 19:30

JACROW初の時代劇、115分。9日までサンモールスタジオ。

侍の時代、迫害を受け山中の廃村でひっそりと暮らす信徒たち。一人が殺され追っ手が迫ったのかと混乱する村。そこに一人の浪人風情が訪れ誤解が解けると用心棒になるという。更に盲目の商人と娘や落武者が現れる。村人たちの恐怖は薄れないまま、さらに一人。

それほど多く彼らの芝居をみているわけではありません。が、日常の少し先のパニックや恐怖や推理が得意なのだと思います。時代劇というフォーマットのなかで彼らの描きたい心理戦のような感じをつくりだしたいのだと思う今作。

正直なはなし、小劇場の規模では時代劇をする方が負荷は大きいはず。舞台美術の質感のようなものは実にしっかりと作られているし、派手な立ち回りこそないけど草履に素足という風体で演ずる役者たちの負担は間違いなく大きいはず。あるいはこのフォーマットを選ぶことで女性の描かれ方がどうしてもステロタイプになりがちなのも弱点なのです。それでもフォーマットをあえて選んでる理由はあると思うのです。

隔絶された世界の狂信的な結束と綻び、となれば少し前に流行った新興宗教の芝居に近いともいえます。それでもこのフォーマットであればこそ、終幕近くの場面の美しさ。あるいはこの形だと男性の俳優がカッコいいというところもあります。

あたし自身はどうしても時代劇というフォーマットで語られる小劇場の芝居というものに興味を持てずにいます。テレビでは気にならなくても、そういう「作られた」世界の言葉がアタシの好きなモノじゃない、ということなのかもしれません。となれば単に好みの問題になってしまいますかそうですか。

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速報→「プラスチックレモン」ひょっとこ乱舞

2008.11.2 14:00

ひょっとこ乱舞の新作。数万年後の人類について、という大上段・120分強。5日まで吉祥寺シアター。

いきなり姿を消し少しすると戻ってくるという現象が多発。物理学者たちは閉じている今の世界外側へのトリップが起きたのだと云い、体験者たちを集めて調査を始める。やがて向こう側にいる時間は長くなり、ついに次のトリップでは残されたモノたちは生きていられないぐらいの時間が経たないと戻ってこれないことが判明して。

全体にはSF風味の仕上がり。意志とは関係なくトリップする離脱者たちと学者たちの話かと思うと、どちらかというと残される人々との話やら、その先、トリップした人々が孤独で千年もの時間を過ごすうちに自分ではなく宇宙と同化し薄まっていうような意識に作家の関心があるようにおもいます。

ブレイントリップ、と言う言葉を多用しています。brain=脳ということではなく、メンブレン= membrane=(細胞などの)膜で囲まれた外側、という説明を劇中で。そういう宇宙論があるようなのだけど、アタシは初耳。

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2008.11.02

速報→「幸せありがとうマジで!」パルコ

2008.11.1

劇団外、本谷有希子と題してのパルコ劇場初見参。きちんと書き込まれた物語を本谷節で120分。 9日まで。そのあと大阪、岡山。

新聞の販売店、夫婦と子供たちと住み込みと。ある日、店長の愛人だと名乗る女が現れる。上がり込もうとする彼女を家族は一眼となって阻止する。が、店の外の彼女を住み込みのバイトが匿い自分の部屋に連れ込む。同じニオイがするからだというが、見た目はあまりに地味なバイトと、派手な自称愛人とを繋ぐのは。

新聞販売店での夕刊の仕分け作業。無言のまま5分以上は続く冒頭は、彼らの日常の作業で派手なことなんか何もない、生活にだって余裕がなく日々をこなすのが精一杯の日常。でもその内側にはため込んだ鬱憤やめちゃくちゃな人間関係が渦巻いていて。そこに突然放り込まれた「愛人」という火種は、あっという間に暴発の連鎖を繰り返して、という感じの前半。いわゆるシットコムが隠された関係やらがどんどん笑いを連鎖させていくのと同じように、醜い隠したい関係を次々暴いていくような感じでスピード感もあって楽しめます。

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速報→「電車は血で走る」鹿殺し

2008.11.1 14:00

青山円形劇場での新進劇団のフェスティバル。円形という規模がよくあった一本。3日まで青山円形劇場。120分。

梅田と宝塚を結ぶ電車、沿線のブルーカラーの町。そこにある小さな工務店の仕事場。職人たちが仕事後に集まって歌劇を演じている。そこに一人の不器用な少女が現れる。父親の死をきっかけに工務店を継ぎ劇団を解散しようとしていた男たちだったが、彼女に励まされるようにして。

電車が好きな、男の子に見えるような少女。大人になることを拒否したような視点は、芝居を辞めてしまう「大人の選択」を止めさせるちから。芝居をやめ去っていく人の事情を理解しつつも自分はそこにたち続けているという、メンバーの入れ替わりを経験した彼らの視点。

いくつもの要素を詰め込んだ感、劇中劇で物語を寸断するところはあって、見せ方に荒削りな感じなのだけど、物語は力強くてコアはとてもいいホンだと思うのです。

劇中に「宝塚奇人歌劇団」なる劇団を持ち出すのは少々ストレートに過ぎる感じもしないでもないのだけど、今の作家の想いを強く映し出していることは間違いなく、劇団そのものに思い入れが無くても気持ちを巻き込んでくれる感じはします。

。 ネタバレかも。

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2008.11.01

マインドマップ

ビジネス向けの発想法や啓発本に結構載ってる「マインドマップ」興味はあっても、なんか気持ち悪い枝葉の書き方とかどうにも馴染めず初めてすらいないのです。ああいう系統だったやり方でなくても二人とか三人とかの打ち合わせで大きな紙を何枚か用意して描き合うだけでもちょっと良さは感じ取れたりして。

ホワイトボードが基本だけど立ち上がらなきゃいけなかったりするので、どうしてもホワイトボードを取る人が優先されちゃって、対等な感じにならないなぁと思ったり。パソコンとプロジェクターは一番普通に使われる方法だけど、テキストだけならなんとかなっても、まとまらないことになんとか道筋を付けようと云うときにはいまひとつしっくりこなくて。

そうそう使う機会が有るわけではないのですが、もうちょっと試してみようかと思ったり。

連休だ。

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