速報→「死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)」MU
2008.11.29 19:30
再演・新作の短編二編を組み合わせての公演。30日までギャラリールデコ4。「戦争に〜」が約45分、5分の休憩を挟んで「死んだ〜」が約55分。
戦争の現場で人質まで経験してきた女三人。フォークデュオに依頼した反戦歌は歌詞が自分たちの活動意図に沿わないので改訂を依頼に彼らの地元まで行って「戦争に行って来た(反転)」。
ちいさな駐在所、女が別れ話を持ってきてその相手を殺してしまう駐在。その同僚たちは事件のもみ消しに懸命になってくれて「死んだ赤鬼」
「戦争〜」は、去年の8月上演作を男女キャストを入れ替えて話を修正しての上演。もとは男性だった反戦団体と、もとは女性だったバンドを入れ替えて男はフォークデュオ、女は反戦団体に。ある種の余裕があって笑わせる場面の多かった初演に比べると、女達のイタさと、男達の脳天気さ加減が微妙なミスマッチさを醸し出します。まとまりには欠ける反面、役者達のキャラクタはより鮮明になっている感じ。足利あやはある種の軽々とした感じが好きなのだけど、イタい懸命さは珍しい感じ。こまつみちるの「普通のモテ狙い女」感のキャラクタも新鮮な感じ。
「死んだ〜」は新作。休憩時間に目がくらんで購入した缶ビールが、アナウンスよりかなり長めの上演時間と相まって、後半部分の酔いが目測を誤ったのはアタシの誤算。靴を顔に当て強く臭いをかぐシーンがモチーフになっているようで、アタシはそれを乞局的な業な性癖と観てたのだけど、それを人工呼吸器と観る見方を聞くと後半のふわふわとした足場のない夢のような感じも、殴られた男と殴った後の巡査の状況を感じさせることに腑に落ちる感じ。ただ、それは人の感想をみて(あるいは自分で)気づいたから云えることで、そこに気づかないと単に観るときの足場がなくて厳しい感じも。
これだけの役者を揃えているのだけど、両方に全ての役者を出そうしているためかどうか、特に新作の方では役の数を合わせるために苦労している感じも。オールスターにしたいのもよくわかるのですが、絞り込んだ役者でタイトにつくるものを観たいと思うし、作家自身が言っているように他の演出でどうなるか、というのを見たいとも思います。
両方を通して太田守信が舞台のアクセントになっていて印象に残ります。
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