【落語】「三之助をみたかい? vol.5」
2008.10.27 19:30
柳家三之助 の一人会。ふたを開ければ最長記録、終演21:45。日暮里サニーホール。
江戸の夜の二八そば、巧いこと支払いを誤魔化した男のやり口を真似しようとした男の「時そば」(wikipedia)。
殿様が外に出て空腹を覚えるが弁当の用意はなく、近くの農家で焼いていた秋刀魚を「目黒のさんま」(wikipedia)。
失明した男は医者にも見放され、神仏に願掛けに行くが悪気を起こしまったく見えなくなってしまう。もういちど信心しろとたしなめられ通うが、その満願の日になっても治らず「景清(かげきよ)」(wikipedia)
気がついてしまって不安でしょうがないことから始まり、雨男(夕方にゲリラ豪雨だった)、絵本寄席や新刊(オールフライトニッポン2)の話、近所のたこ焼き屋だったはずの店の変遷などをまくらに。ここがかなり長いのはいつものことだけど、ゆるゆると噺家の思ったこと考えたことやったことを近況報告のように聴きながら過ぎる時間もまた贅沢で。
「時そば」は「いま何時でぃ?」っていうセリフは有名だけどちゃんと噺として聴いたのは初めてかも知れません。思いつきの面白さとそれを真似した男のうまく行かなさ度合いが楽しい。細いつるっとした蕎麦と太いごわごわの蕎麦の食べ分けの誇張も楽しくて。
「目黒のさんま」こちらも「さんまは目黒に限る」っていうセリフばかり知ってても聴いたことあったかしらん。三之助としては初めてやる噺なのだといいます。脂の乗った秋刀魚の描写にごくり、てな感じで。食の安全ってのは、何をどうやって作ってるか見えてることだよなぁとぼんやり思ったり。殿様が城で所望したときに出てきた方の秋刀魚は、美味しく無さ加減というよりは安全だのなんだのに行きすぎた感の不気味さすら。めずらしく政治家だの歌謡曲だのを引用してくるくすぐり満載。
仲入りを経てもう一席。
「景清」は半年を経ての再登場。軽めの前二つに比べるとがっつり噺にとっくみあう感じ。妻への想いが収束していくあたりにわしづかみ、なのです。
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