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2008.09.24

速報→「シャープさんフラットさん」(ホワイトバージョン)ナイロン100℃

2008.9.23 13:00

15周年を迎えたナイロン、作家の苦悩を描く2バージョン。今日観たのはホワイト版。150分。10月19日まで本多劇場。

笑いで人気の劇団の作家。執筆作業のなか、死んだ父親の姿が見えるようになったりする。 バブルの時代、公演の稽古の途中で全てをほっぽりだして雲隠れしサナトリウムに逃げ込む。そこには売れないまま歳を重ねてしまった芸人とか普通のオヤジとか。そのサナトリウムに、芸人の前の相方の女が偶然訪れる。彼女は劇団の前の公演をみていて熱心なファンで笑いツボが一緒で。

作家の自伝的な、といえば書けない節に陥りがちですが、さすがにケラ、そんな凡庸ではすみません。頭の中で溢れる笑いがどんどん尖鋭化していき、観客とも劇団員たちともズレが拡大していき、どんどん孤独になっていくのです。

シャープやフラット、というずれてしまった人々をゆっくりと、大爆笑もなしに描いていくのです。 作家はやがて、友人の昏睡状態を笑いにしたりしていきます。「笑ってはいけない笑いなんかない」という宣言は、もしかしたら表現をどんどん狭めていこうと暗躍する世間に対する宣戦布告なのかもしれません。

とはいえ、アタシも普通に暮らしているので同意はできないこともそこかしこ。 熱心なファンと当事者を目の前にしながらもタブーな笑いにはまりこんでいく姿は両手をあげて賛同はできないのだけど、そうせずにはいられない作家の姿は業の深さを鮮やかに描き出すのです。

セットと映像の融合、という近作での手法はより洗練されてきていて美しさすら。スタイリッシュというのはこういうことを云うのだなぁと思うのです。

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