速報→「八月納涼大歌舞伎」松竹
2008.8.15 18:15
月替わりの演目の歌舞伎座。夏はかつて歌舞伎が売れない(二八ですな)月で歌舞伎以外の演目をこの劇場でやっていたようですが、歌舞伎のフォーマットの中で、三部制にするなどして19年目の夏歌舞伎。歌舞伎座も120周年、なんだそうです。第三部は65分+休憩30分+85分。27日まで。幕見もあります。
紅葉の季節に通りかかった従者と将軍。幕の向こうで宴の最中の女性たち。宴席に誘われても女性ばかりだと断っても結局は呑むことに。踊りを見て、こちらも返礼しつつ、やがて夢見心地。が、姫は「新歌舞伎十八番の内・紅葉狩」。
美濃と尾張の争い。城下町で評判の祈祷師(実はインチキ)を城に呼び寄せた美濃の城主の息女。意中の男の箔を付けようとして大将として選ばせるための策略。しかしその男は敵国の捕虜として使われる端女(はしため)の愛陀(あいだ)姫に恋していて「野田版・愛陀姫」。
誰かのチケットとか、野田版というモチベーションがなければ歌舞伎にはなかなか足を運ぶことはありません。パソコン通信の時代のオフでは小劇場もミュージカルも歌舞伎も落語も宝塚も同じ会議室の中でオフが開催されていましたから、アタシは今よりもいろんな種類のモノを観ていた気がします。その流れで取って頂いたチケットの観劇は正面、いい席。まさか、あのときの人々がそのまま持ち上がって再会、とは想像していませんでしたが。
「紅葉狩」は歌舞伎らしいフォーマットを堪能。酒を勧め、舞う女のシーンでつられて眠気がきてしまっても、足を踏みならし見せ場ではちゃんと見せます。もちろん所作のひとつひとつが美しく、何一つ不安がないというのは伝統芸能の強さ。アタシが好きなのは左右の従者。どこかコミカルで凛々しさもちゃんとあって。
「愛陀姫」は音の通り「アイーダ」の翻案。アタシはオリジナルを観てませんし、11場からなると聞いて身構えますが、そう難しい話ではありません。台詞はちゃんと現代の言葉だし、笑わせどころも散りばめられていて。というか、役者以外のほとんどの部分はNODA MAPそのもの、という気がします。音楽もそうだし、台詞回しも多い。NODA MAPでの野田秀樹自身に代わるのは扇雀でそのコミカルさと確かさを観ると筋書きで野田秀樹が話す「訓練された役者たち」ということをはっきりと感じることができるのです。
思えば新感線も野田もキャラメルボックス(サンシャインとアプルだ)も松竹のラインナップ。そうかぁ、そういうことか、なんて感じたりしつつ。それは悪いことではなくて、ちゃんと育てたりあるいは投資するということだと思うのです。
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