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2008.08.03

速報→「ローションパック」♂本番ナシ♀

2008.8.2 19:00

根津茂尚, 三谷麻里子, 池田ヒロユキというバックグランドの違う三人が二人芝居を上演するユニットの旗揚げ。それぞれ二本出演し一本演出するという構成で三本組、60分。4日までアトリエセンティオ。少々わかりにくい場所、靴を脱ぐので対応した格好で。

ベットまわりで会話する訳あり風男女、通りすがりではなく過去もあって今こうしている理由もあって「No Other One」(脚本:名執健太郎/ex smartball)。畳の上で向かいあって会話する夫婦らしい二人、狭い部屋の真ん中は大きくて邪魔なものが「赤い石」(脚本:関村俊介/あひるなんちゃら)。並んで折り紙としりとりをしつづける男二人には乗り越えられない差があって「ピサロ」(脚本: 澤唯/projectサマカトポロジー)。

一般民家のような建物の一階を改造したアトリエ。路地には子猫が沢山いて。アタシの観た夜の回は開演前に舞台に迷い込んだ子猫まるで演出されたかのように。いや、アクシデントだしスタッフはちゃんと外に出したりしてるのだけど。そんなのんびり感も楽しい。

<なんせ短編、ちょっとかけば即ネタバレ。

「No Other〜」はもう、いきなりのインパクト。三谷麻里子を役者で観るのは何年ぶりだか、なのだけど、どんだけ好きなんだよというアタシにしてみればまるで夢のよう。ダメな自覚のない男とわりとしっかりした女の二人。カラダの相性は抜群だということが二人ともわかっているのに、女はどうしてもよりを戻すことができない。少ない台詞の中でも離れがたい二人の想いが絶妙で、あたしの気持ちを揺らします。

「赤い〜」は短編故に突っ走るばりばりの不条理劇。そこに石はあるのかないのか、あると思っているのかいないのか。見えない石をめぐる二人の会話が楽しい。反面、役者の向こう側に、あひるなんちゃらの役者が透けて見えてしまう感じがあって、一歩間違えばえらく棒読みな感じのこの味は一朝一夕にはあひる以外の役者には難しいということもよくわかります。ゆるいゆるいと言われるあの芝居が、換えの効かない役者と演出の緻密に支えられていることとがよくわかります。この難しい芝居を、それでもどうにか取っ組み合って成立させているのが凄い。

「ピサロ」は死刑囚と二人でひとときを過ごす、という話。もちろん現実にはそんな時間が取られることはないようですが。それほど親友というわけでもないのだけど、でも相手を思いやる気持ちはあって、でも喧嘩っぽかったりもしてそれを確かめ合って。物語の視座をどこに置いたらいいか、今ひとつ迷う感じがして、あたしの気持ちには入りづらい感じ。蓮の花の折り紙、っていうのがちょっと凄い。

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