速報→「国道五十八号戦線異状ナシ」国道五十八号戦線
2008.8.28 19:30
明治大学の劇団、鹿児島から那覇を貫く国道の劇団名を冠した学外初公演は勝負ということでしょうか。9月1日までシアターグリーン小。75分。
沖縄の民家に集う若者たち。ほとんど勢いで発表してしまった「沖縄独立宣言」に世間は半笑いの反応で。が、彼らにはその自信を裏打ちする力を隠し持っていて。そこに訪れる一人の男は、外務省を名乗り話を聞きたいのだという。
実際のところ、物語の背景となる道具建ては当日パンフどころかCoRichあたりの中にかっちりと書かれていますが、それがなくてもちゃんとわかる感じ。
沖縄、米軍基地、地域間格差というあたりから端を発し、でも荒唐無稽な独立を夢見る男と、半分は信じられないままに共感する男たちと、それを馬鹿馬鹿しく思いながら見守る女と、煽動する年かさの女と。酒をあおりながらのゆるい空間。
物語は荒唐無稽なSFと本人たちが云うとおり。これが彼の地の人々の気持ちの上でのリアルかどうかアタシにはわかりませんが、若い作家にとって沖縄という場所をこうとらえてる、という感じもします。格差も基地もそこには現実としてあって、そんな中だからこそ非核三原則という今ではだれも信じていない言葉も現実のものとしての重さがあって、なのかもしれません。
ネタバレかも
なんて堅苦しく考えなくてもぱたぱたとひっくり返っていく物語は面白い感じ。わりと物語のつじつまってものには関心のないアタシだからかもしれませんが、提示された世界にあっさりとだまされる感覚は楽しい。75分という時間の短さも体感にあっています。中盤のコンゲームがもう少しタイトだと迫力を増す感じはします。後半の15分ぐらい、「引導を渡す」というせりふのあたりから、ぱたんとひっくり返る世界はさらに荒唐無稽を重ねていきます。この終盤近くのスピードは大切で、観客に考える隙を与えないでほしいところですが、初日時点では少々よどむ感じ。
終幕のオチとでもいうべきあたりの、ネットという世界のフラットな信頼感は実際問題としてはどうなんだとは思うものの、アタシの持ってる夢物語にこそ近い感覚が楽しい。ここの説明のややこしさが、観客を騙したまま走りきるための障害になってしまう感じは初日ゆえですが、ちゃんと良くなる予感がします。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「静流、白むまで行け」かるがも団地(2023.11.25)
- 【芝居】「〜マジカル♡びっくり♧どっきり♢ミステリー♤ツアー〜」麦の会(2023.11.25)
- 【芝居】「未開の議場 2023」萩島商店街青年部(2023.11.19)
- 【芝居】「夜明け前」オフィスリコ(2023.11.19)
- 【芝居】「好男子の行方」オフィスリコ(2023.11.12)
コメント