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2008.08.11

速報→「かば2」メロン記念日

2008.8.10 15:30

メロン記念日の主演舞台、わずか4カ月でのほぼ同じキャストでの続編。散歩道楽の太田善也の作演で。10日までシアターグリーン。110分。

母を幼くしてなくし、父が育てた四姉妹。父がアフリカでカバに殺された彼女たちはそれでも日常を取り戻しつつあった。三回忌を迎えたころ、三女は不思議な夢を見るようになり、身体の弱い四女を気にしている出戻りの長女は見合いをしつこくすすめられたりして...

一回目は見ていませんが、がっつりと一本目に繋がる物語。そんなアタシにも小出しにはなるものの背景の多くはきちんと説明されます。もちろん順をおってというわけにはいきませんが、そう大した問題ではありません。

メロン記念日(wikipedia)はハロプロ系だということと、ユニット名と人数ぐらいしか知らないアタシです。それどころか、美人めの役者が並ぶと不思議と見分けがつかなくなてしまうあたしです。

観客席は芝居の現場でそうそう見られないぐらいに男性の割合が高く、しかもアタシが混じっていても見た目には浮かない位には年齢層もそれなりに高く。開場時間中にDSで遊ぶ客が多いというのも、新鮮な体験。(かと思ったら夜に見た王子小劇場でも初めてDSやってる客を見かけましたが。夏休みだからか、もしかして)。もっとも、やはりファンという感じではあって、もう、アタシは圧倒的にアウェイな感じの開演前。

いわゆるアイドルを中心に据えた可愛らしさ押しの芝居かとおもえばさにあらず。年齢は少々高いこともあるのでしょうが、妊娠同棲出戻りと年齢なりのさまざまな行き方を凝縮した四姉妹という描き方。 2時間弱という時間のわりには、びっくりするぐらいにエピソードを詰め込み放題。映像を一切使わない割に、シチュエーションコメディ的な組み立てや出落ちに近い脇の役者だったりとあの手この手を駆使しながら、テンポ良くたくさんの物語を描ききります。前回はわりと暗めだったとも聞きますが今作は全体に明るくコメディの要素が強く、バラエティのようでもあって気楽に楽しめます。

いわゆるアイドルを、単に可愛らしいものを愛でる以上の物語のある芝居として見る場合、客席の殆どを占める男性の観客の視座をどこに置いて描くのだろうと不思議に思ったりもします。同棲している芝居音響で貧乏な彼か、嫁としっくりいかない酒屋の彼か、もの凄く可愛い彼女をゲットしてしまっているがどう見ても美形ではない彼か。それぞれの男にもコミカルではあるけどしっかりと見せ場を用意してるのも、アタシとしては見やすい。いわゆる芸能人のオーラに小劇場の役者が束になってもかなわない、ということがありがちなのだけど、何かがきちんとコントロールされているのか、そういうバランスの悪さは感じずにすんでいます。

病状は安定したがまだまわりに心配をかける四女と過度に心配する長女、彼氏と相変わらず同棲していて妊娠してるのに頑として結婚はしたくないという三女のあたりが今作のポイント。ごく少ない人数の人間関係があまりにあれこれと関係しすぎる、というこの手のシチュエーションコメディではありがちな強引さはあるのですが、結婚式と不動産の話をとりちがえて混乱するあたりとか、結婚という形式的なものに意味はあるのか、なんてあたりが書き込まれていて楽しめます。

自分が幸せになることに躊躇をしてはいけない、というあまりにもシンプルでまっすぐな視線のメッセージ。役者も作家もあたしを含めた観客もそう若くはないのに、こんなにもまっすぐでベタな話に、油断すると持ってかれそうになってしまうアタシの気持ちもあって、これはなんだろうとも思うのです。

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