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2008.07.22

速報→「ワールズダッチ」青年団若手自主企画 大久保企画

2008.7.21 14:00

もとmon(1, 2)の大久保亜美・作演による若手自主企画。75分、21日までのアトリエ春風舎での公演は終了。

めったに会わない妹が上京してきた。姉は夜の町を散歩して、通りすがりの男とする性癖がある。妹は男好きする感じで、バイト先でも店長と別のバイトとも二股だったりして。

チェルフィッチュを思わせる独り語りフォーマットでスタート。愛情がわからず男とセックスすることで「世界とつながっている(ワールド・ダッチ}」の感覚で男と寝ずにいられない姉と、愛情の結果として気持ちのいいセックスというとらえかたをしている妹。どちらも、おおざっぱにとらえれば男と始終寝ている姉妹で、倫理観というとらえ方をしていれば壊れているともいえるのだけど、その二人の間には埋められないほどの深い溝。それでも二人は自律してそれを選び取っています。こんな二人を執拗にしかし丁寧に埋める作業に併走できる感覚。そのまわりを独り語りでぐるぐると回る感覚が楽しい。

若い女性の作家が、こんなにもあからさまに書いてしまう話は、どこかその作家がこうなんじゃないか、みたいな妙に見られてしまうことをいとわずに描いた、ごくごく狭く小さな世界の感覚のとらえ方はみずみずしく、ずっと見ていたい。こんなことを誰かジョシと語り明かしたい気持ちにあふれるのです。もっとも、アタシには結局本当には理解できないのだろうけど、でも、繋がる感の姉にも共感するし、愛おしさ優先の妹の感覚もどこかで信じている。おそらく一人の中で起きている葛藤のようなものを分離してみせている感じ。

くんずほぐれつなシーンはあるしセリフはわりとあからさま。この入り口で拒絶してしまう人もいるでしょうが、そこで止まってしまうのはもったいない。このほんの少しのそよぎ方の違いをとらえる感覚を楽しみたい。四十八手的な動きをモーフィングのように連続してみせるのは組み体操のようで、コミカル。ちょっと面白い。

正直なはなし、この姉妹の感覚というのはものすごく新しいものというわけでもない気がします。しかし、ぎゅっと圧縮し、作家がぐるぐると思考回している過程に付き合う作業は、あたしには楽しいものなのです。

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