速報→「相思相愛確信犯」MU
2008.7.12 19:30
短編を得意とするMU初の長編。135分。13日まで駅前劇場。
問題ある恋愛を抱えた男女が入り三ヶ月間、男だけ女だけで暮らすことでリハビリをする「断恋道場」。一途な片想いを何年もしていた女、女子高生なのにもう数え切れないほどの男に引っかかるのが親と同じなのが悩みの女、三ヶ月の筈なのに何年も居る女、結婚資金を使い込まれた女、使い込んだ男、ヒモ体質の男、自慰体質の男、二回目の入所の男、など。が、合宿最終日のイベントには怪しい秘密があって...
17人もの出演者。しかもキャッチーで気になる役者てんこもり。当然それぞれに或る程度の見せ場は必要で、結果2時間超。セットを入れ替えるための時間がテンポを切ってしまっているところもあって、体感時間も長めです。道場という性質上で或る程度の人数が居ないと形にならないというのはそのとおりなのだけど、もうちょっとタイトにしたいところ。アタシの場合、観たことある役者を手がかりにしてみていて、葛木英、古市海見子、ハマカワフミエ、浅倉洋介、杉木隆幸、小松君和、岡安慶子、諫山幸治あたりがアタシ的な足がかりで、彼らの個々の芝居には安心も感じます。
観劇している最中は、なぜか冒頭に出てくる「JPOPは愛だの恋だの云ってるだけで」ってのが気持ちの中でひっかかってしまうのです。まったくそれには同意なのだけど、この芝居だって物語よりはキャッチーさを優先してるのに大差ないのになぁと考えていたのです。 もっとも、一晩経って思い返してみると語りたいことはいくつもあるんじゃないかという気もしてきたのですが。 道場に入っている彼らがとても饒舌なわりには切実さがいまひとつ伝わってこなくて、プラスティッキーな造形に感じられて、それがアタシには居心地の悪い原因じゃないかと思ったりもするのです。ネタバレ
最後のイベントの筈のカップリングが職員の賭けの対象になっていて、そのオッズを不正に操作しようとして恋愛的な重症患者をつくるために薬剤に頼って、あるいはそれを暴こうとする人が居て。物語が動き始めるのが90分を過ぎてからなのですが、そこまでをもっとタイトに見たい感じがします。
母親と同じ性癖に悩む女子高生・ハマカワフミエの微妙にぐれた感は彼女の王道芝居なのだけど、その王道を突っ走る感じ。片想いに悩むスナックのママ・葛木英はもはや漫画の領域だけど、顔立ちの非現実感の美しさ(←誉め言葉のつもりです)にはよくあっている感じで楽しい。
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