速報→「Root Beers ~ルートビアーズ」KAKUTA
2008.6.20 19:30
四年ぶりの再演作。初演の何倍もの広さの劇場をきちんと埋めるチカラはきちんと継続されています。130分弱。25日までシアタートラム。ロサンゼルスのモーテルに泊まる強面たち。タマをとるためにやってきたが、アニキと呼ばれるリーダーが車にひかれ、ルートビアーをクチにした瞬間、突然倒れてしまう。次に目覚めたとき、それまでの記憶をすっかりなくしたまったく違う人格が姿を表す。
群像劇が多かったKAKUTAで芯となるオトコの役者を真ん中に据えての物語が新鮮だった印象のある初演。変わった配役も居るし続投も含めて印象は余り変わらない感じがしながらも、思い返してみるとスピード感とかイキオイで押す感じが殆どなくなり、むしろゆったりと流れる時間すら感じさせる仕上がり。スタンダードナンバーをいくつも使っているのもその印象を強くしている感じがします。
突っ張り続けることがオトコの勲章だと歌ったのは誰だったか、それを地でいく男たち。ヤクザ側ではない人々にしたって、何か追い求めたいと思うモノがあってそれは馬鹿馬鹿しいものだったりもするのだけど、一生懸命な男たち。作家の視線は彼らへの深い愛情と少々バカだなと思う感情で包まれています。その威勢を張ってる男の弛緩する一種のナツヤスミとか、台風クラブ的な「余った時間」感が気持ちに染みこむのです。
明石スタジオでの初演から4年の時間を経ての再演はトラム。あの劇場を狭く使い空間を埋める手法はこの4年の間に彼らが手に入れたものだと思うのです。モーテルの一室という狭い狭い空間をこの広さのなかで嘘っぽくしないのはたいしたもの。親分を演じた青山勝、監禁中の成清正紀、若狭勝也のトライアングルは強固で揺るぎません。青山勝という役者を余り知りませんが、終幕の迫力の凄さは、ほどよい年齢感にあっています。清楚な役は久し振りな感じもしますが、高山奈央子は4年経っても変わらない魅力。大枝佳織・松田昌樹の韓国人兄弟の台詞はほとんどわかりませんが、表情や発音される音で感情の交換が見えるのがたいしたもの。
全てのトリガーとなるルートビアは沖縄のA&W(劇中買ってくるTシャツの柄が楽しい)が有名な、普通にのまれるジャンキーな炭酸。薬臭いといわれますが、大量の薬草ゆえ。アタシはなかなか味がある、と思うんだけどなぁ。(終演後¥100円で販売)
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