速報→「て」ハイバイ
2008.6.21 14:30
ハイバイの新作。冷静な視線が冴える感じ。23日まで駅前劇場。95分。舞台を挟んでの対面客席。アタシは入り口から見て舞台を超えない手前側の奥でしたが、少々死角の多い感じがします。舞台渡って向こう側のほうが良さそうな感じ。
祖母の葬式に集まる家族たち。なんか今一つ牧師の説教もいまいちだし、葬儀屋もいまいちで。痴呆が始まった祖母のもとに、久しぶりに集まった息子娘たち。父親の暴力がもとになって全員がそろうことはほとんどなかったが、長女が懸命にまとめようとするが。
子供のころの父親の暴力。粗暴で理不尽でしかもじつは口も達者でない。子供たちが小さいころはそれを受け入れるしかなかったけれど、子供たちが独立すると、受け流したり寄り付かなかったりしていて。祖母の見舞いという理由で祖母の家に集まる息子たち。人のいい二男やまとめようとする長女、皮肉屋の長男という風情で、やがてどっくみあいの喧嘩になったり泣いていたり。
ネタバレかも
..なんて感じで始まる前半。それは途中で、すこしばかり巻き戻った時間から再度進む物語に。前半では描かれなかった長男側の視点などがどんどん追加されていって、それぞれの人がそれぞれの懸命や善意や、あるいはねじれた愛情のようなもので動いていることがわかります。皮肉屋の長男の祖母への心からの愛情や、長女の外面感とか、二男のちょっと浅い愛情の感じとかがほの見えてきて、あるいは暴力をふるうような夫とわかれずに今でも結婚を続けている妻の複雑な気持ちの描かれ方。
ある役に思い入れる視座でみるというのは芝居の見方のひとつなのだけど、兄弟たちや母親の視点それぞれに飛び回る感覚が気持ちいい。ひとつの場面が視点で違って見えるのを見せるという芝居はほかに無いわけではないのだけど、たくさんの人の視点が次々と切り替わるようなスピード感が楽しいのです。
死角に関して言うと、去年末のお台場の悪夢に続いて、どうも席の相性がよくないアタシです。せっかくの母親の表情も見えないし、どちらかというとあからさまに奥側が正面だっと感じます。確かなチカラがあるだけに、わざわざ対面客席を作ってまで死角が出来てしまうのはあまりに勿体ない。
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