速報→「俺を縛れ!」柿喰う客
2008.6.22 19:00
劇場に飾られたあれこれも楽しい佐藤佐吉演劇祭の最初。30日まで王子小劇場。135分。
江戸時代、吉宗の亡きあとの将軍、下されたキャラクターを守る令を守らなくてはいけない「キャラ令」が発布される。幕府に忠実な地方大名のひとりに与えられたのは「裏切り大名」だった。
おそらくかれらにとっての初めての時代劇。とはいってもあたしと同様、史実を知らなくてもあまり問題はありません。
外側からレッテルを貼られるということをキャラと言い換え、それに縛られる人々を細かく描いていきます。正直なはなし、全体の尺も後半に至るまでも少々長い感じは受けます。エロが強いと思っていた印象も、今作ではほんの少しに抑えられています。
40人だろうとちゃんと舞台に載せてしまう彼らですから18人ぐらいは何ともありません。少々聞き取れなくても、ちゃんと物語を伝えてしまうというイキオイ。どうやってもこの口調、この演出、どこを切り取ってみても柿だとわかるフォーマットの強さ。おそらく若い観客はつか芝居を知らないでしょうから(あたしだってモンテカルロイリュージョン以降だ)、これは圧倒的に新鮮な体験の筈。
劇団の役者中心の公演が続いたためか、今回は客演がわりとメインな印象。 花組芝居(ずいぶん観てない気もするけど)の役者の確かな力。語り口もカラダの安定も、強がりの感覚も。その技術を無駄遣い(←誉め言葉)している感じがカッコイイ。思っていたよりも(失礼ながら)中心で話を運ぶ佐藤みゆきの魅力が全開、唄もよく。こいけけいこという役者をこんな使い方してしまうのもまあアタシ的にはどうかとも思いますが、見たことない面なのは間違いなくてボーナストラックような魅力は確かにあって。
言葉の選び方として笑いづらい(エロではない)あからさまな言葉もちりばめられています。聞いた瞬間にあたしも拒否する気持ちがちとあったりもします。が、そこで思考停止に陥らずがんばって物語について行くべし。物語が進むにつれあきらかにされる「本当の自分をみてくれない」という話には説得力があります。
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