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2008.06.15

速報→「隣人と恐竜のポルカ」パルコ劇場

2008.6.14 19:00

後藤ひろひとの新作。豪華なキャストで意味がない物語の贅沢さ。15日昼までパルコ劇場。そのあと名古屋、新潟、福岡、広島、仙台、大阪。120分。

静かな住宅地の二軒並んだテラスハウス。左は兄妹で住んでいて、兄には娘がいてたまに帰ってくる。右は夫婦と息子。二つの家の世帯主は幼なじみで二人とも石野真子ファン。ある日、ゴミを埋めるために右側の庭を掘り返していると、恐竜らしい骨を見つけるが、隣に気づかれないように大もうけを企む。左側は隣のこそこそが気になり、石野真子がMCをしている恐竜番組に手紙を出し、石野真子が来ることになる。

作家が石野真子好きというのは知られた事実なのでしょうかね。今までの二本に両方とも石野真子という役をあてるのです。今作においても驚愕の事実が判明することになるのです:-)。作家がファンだってのを聞いたのは何時の日やら。

隣同士に住むことの、仲良さと競争心が全体のベース。どんどんエスカレートしていく隣どうしの競争。たぶんそれだけでも相当にコメディになると思うのです。男ふたりが幼なじみでアイドルのファンでそのアイドルが居るというのは、更に別の次元を足す感じの圧倒的な厚みをもたらします。

二つの家の無駄な争いに巻き込まれる息子・娘がロミジュリ張りに恋に発展するかと思えばさにあらず。男の片思いではあっても、女はまったく別の風景が見えているのもちょっと面白い。

英語のタイトルにある「K/T BOUNDARY(wikipedia)」というのが恐竜の世代を区切るもとの意味から派生して、 両家の頭文字で隣同士の境界線を意識させるのです。

大王がカーテンコールで云った、豪華キャストで意味のない芝居というのは言い得て妙。「全員集合」や「吉本新喜劇」に通じるベタが前面に或る感じ。正直な話、コテコテに過ぎるところに辟易する演技も混じってたりはします。とはいえ、物語自体には三谷幸喜張り(しかし、最近のテレビ露出、観てる人は辟易してるぞ)の緻密さがあるのです。 さまざまなウンチクをウンチク臭くなく取り込んでいるのもアタシの好みによくあってます。

副都心線開業の日、新しい駅は嬉しく思いつつ、ナンシー関のハンコ展の行列に恐れをなして見損なったのが残念だったりも。

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