速報→「4x1h project #0」Aプロ
2008.5.24 14:30
6本の戯曲をリーディングし、うち2本を芝居として上演するという選抜を兼ねた企画。30分×3本を一組とするうちのAプログラム。25日までルデコ。
酒を飲む男女。男が友人から聞いた話を始める。雨宿りしているときに、少し男が場所を離れた隙に女が忽然と姿を消したのだという「消えたおんなの話」。
ルームシェアしている女ふたり。居候する別の女はは働く気もない。部屋の持ち主が些細なことで喧嘩してしまい、居候に出ていけと云ってしまう「いそうろう」。
ある施設の中の少し雑然とした休憩室。やる気のない職員たち。そこに若い女性の担当者が、耐震工事の指揮のために訪れる「群盲と象」。
リーディングといいながら照明も音楽も動きも付ける「もどき」が多い中、30分かなりシンプルで動きも照明もなにもないタイプの純粋なリーディングは珍しい気がします。 長い椅子に一列に腰掛け、立ち座り以外の動きもありません。純粋にホンと役者の朗読だけの勝負。
衣装も統一され、演出も一人が担っているために、全体にしゃべり口も印象も同じようになってしまうということはあるのだけど、そのために戯曲そのものを見せるという点では効果的な気もします。
少しミステリー仕立ての「消えたおんな〜」は、過去の出来事を少しずつさかのぼって見せていくところが得意技。半面、このシンプルな見せ方の中ではあまりそれが効果的に効いてこない感じもしてもったいない気もします。物語はごくシンプル、べたでもおしゃれに見せることができるかどうか、が芝居にした時はポイントになる気がします。
「いそうろう」は、女二人のごく些細な話。出ていってしまった女を想う家主の女のシンプルな気持ち。些細な喧嘩で表面でおきていることはごくごく日常なのだけど、その中での気持ちの大きく動くところが叙情派の面目。快快で見せるような動きの派手さがない分、この気持ちがシンプルに見えるところが、もっと純粋に見えてきます。リーディングではあたしの見た回は階下の音が大きくちょっと残念。物語があるか、といわれるとそうでもなくてもっとリリカルな感じが強いのは好みも別れるところ。
「群盲〜」は、渋谷はやっぱりそういう話をしがちな場所かぁと思いつつ。片道切符の職場、地域も含め生きるのには困らないけれど、大きな問題を抱えた施設。行き場のなさゆえのやる気が喪失された現場の姿。ここまであからさまな感じにこういう題材を持ってくるのはむしろ珍しい感じもします。 女がここに残り続けようとしたのはなぜだろう、とあたしには少し違和感があったりしますが、いやな感じはよく出ています。これは切り込んで行けば結構社会派な感じにしあがるような気がします。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
- 【芝居】「ミセスフィクションズのファッションウイーク」Mrs.fictions(2024.08.30)
- 【芝居】「氷は溶けるのか、解けるのか」螺旋階段(2024.08.27)
- 【芝居】「BIRTHDAY」本多劇場グループ(2024.08.20)
コメント
私自身、「何故に残るのでしょう。」という部分を残しつつ、ですので、とても、とても、嬉しい感想です。
すごく、その場しのぎな選択のような気もします。けれども、
やっぱり、その場の彼女は「決定」してはいると思うのです。
って、、非常に蛇足ですね。失礼しました~。
投稿: whoco | 2008.05.25 01:14