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2008.04.14

速報→「恋人としては無理」柿喰う客

2008.4.13 15:30

フランスの学生演劇祭に参加したあとの帰国凱旋、一日限りの三回公演。本編60分、トークショー30分で構成。恵比寿、ギャラリーSite。

エルサレムの街、イエスと十二使徒が訪れる。街をあげての歓迎ムード。使徒たちは、イエスの言葉を聞くが、解釈で割れ仲違いし、仲直りし。歓迎されるということはその期待も大きく、それに従えななかったがために..

キリストに限らず宗教にはとことん疎いアタシです。雰囲気を知ってはいても、聖書に手を出したことはありません。だから、このようなスタイルで扱うことが、それを信じている人にとってはどう感じられるのかはちょっと心配だったりします。

が、まあそこには抜かりはありません。トークショーによれば、作家は「半分キリスト教(片方の親が、ということか。よくわかりませんが)」なのだそうで、聖書は大好きでそこからずっと書きたかったモチーフなのだということ、フランスでの公演にあたっては、キリスト教をほとんど知らない日本人を相手にするよりもある種の共通認識だと感じたのだといいます。フランスもキリストも知らないあたしは、そう云われれば信じるしか無いわけですが。

少ない人数、高いテンション、早口の台詞。といえば、昨年の王子小劇場での公演にフォーマットは似ています。今作ではかれらは、登場人物たちを5人の役者が入れ替わり立ち替わり演じていくというスタイルを加えています。

役者は同じ黒いスエットで揃えているために、このままでは 混乱しそうなものですが、帽子やヘッドホン、フラフープ、新聞などさまざまな道具と役を一致させ、「ヘッドホンをつけていれば、ユダ」「鞄を持っていればマタイ」というようにルールを決め、それを役者たちが入れ替わり立ち替わり演じていくという方法をとっています。

イエス自身は出てきません。その言葉を聞き、解釈に割れ、かれを祭り上げるべきなのかどうなのかのさまざまは、聖書に書かれていることがどれほどかはわかりませんが、意外なほど頭にきちんと入ってきます。男ばかりではなく実は女性、みたいな役もいくつか設定。裏切り者ではあるユダも含め、イエスのことが好きな人々という確かなつながり。その濃密感も、見せ方の巧さも含めて確かなチカラを感じるのです。

トークショーによれば、これをほぼそのまま、字幕もなく上演したのだといいます。ドラッグやってるのか、なんていう質問が飛んだりもしたようですが、少なくとも作家には視野が広がった、のだといいます。何事も経験ですからね。アタシもがんばんなきゃと思います、はい。

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