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2008.04.30

速報→「おいでおいでぷす」青年団若手自主企画

2008.4.29 14:00

ハイバイの岩井秀人による、オイディプスを下敷きにした口語劇。80分、30日までアトリエ春風舎。シアターガイドwebのインタビュー記事が充実。

キャンプにきたグループ。勝手なメンバーたちの下、リーダーの男が指示をしたり、グループを守ったり。が。キャンプの準備を十分にしていなかったために、食べ物がなかったり、風邪ひいたりして、ぼろぼろになる。そこにキャンプの達人を名乗る男がきて、この中に汚れたモノが居て、災いはそのせいだという。

ハイバイらしさが炸裂。出演していないはずの岩井秀人が常に見え隠れしてしまうという問題は常につきまとうのですが、本作もそれに漏れません。リーダーでも他からくる言いがかりの人でも、あるいはキャンプの達人でも、みんな彼に見えてしまう感はあります。が、もちろん青年団の役者たち。水準はクリアした上での贅沢な悩みです。

シアターガイドのインタビュー記事を読むと、たしかに腑に落ちる感はあります。 ギリシャ悲劇の時代の国とか王とというのを、キャンプに来たグループとリーダに置き換えるのをベースにして、飢餓や外敵、肉親関係をご飯が炊けてない、文句云いに来る隣のグループ、恋人との関係、みたいな感じに読み下していきます。それは口語への書き換えというのではなくて、「口語の生きている時代なら何に置き換えるか」という作業なのでしょう、きっと。

終幕が結構絶妙。 「全部自分で云って悲劇に突っ込んでいく」というのは、云われもしないのに謝ってしまうという自己表現にしてしまう人と解釈して、オイディプス王をやけに自意識過剰で反省していることを自己アピールしてしまう、「少々浮いた人」に着地させているのが結構凄い。

反面、キャンプの会話劇に、オイディプスの話を重ねるという形式にとらわれすぎて不自由な感じがしないでもありません。インタビュー記事を先に読んでいれば違う印象だったかも知れませんが、観ている感じでは少々強引な感じも。 当日パンフによれば当初の企画意図か途中で変化したとのこと。いまのまま感じだとあまり良さが十分に出ていない感じがします。が、この延長線上に何か可能性があるかも、という気もします。

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