速報→「らふ〜嗤う裸のおんな」ロンドンパンダ
2008.4.29 18:00
アタシは初見の劇団。色っぽさをまといながらも、濃厚でずっしりとした物語。公演は29日までで終了。「楽園」で110分。
ホテルの部屋。缶詰になるために作家がこもっているが、夜は自宅に帰るため友人の売れない画家に貸している。画家はデリヘル嬢をモデルとして気にいっていて、毎晩呼んで裸婦画を描くが、ほとんど触ることもない。出入りする編集者は、作家と割り切った関係だが、画家は彼女に惚れている。が、想いは伝えられない。ある日、編集者が作家に連載中の小説の打ち切りを伝える。たまたまデリヘル嬢に出会った作家は。
下着姿のチラシに違わず、開幕のっけからかなり多くの時間が下着姿だったり、編集者はセックス依存でわりと誰彼かまわなかったりと、見かけ上はかなりスキャンダラスというか強い刺激があります。男たちも非道だったり、コミカルだったりするのだけど、徐々に物語は作家と画家、デリヘル嬢たちの背景をあぶり出していきます。
作家と画家の二人を親友に位置づけ、わりと何でも話す関係にしておいた上で、特に後半では、二人はしっかりとしたアーティストに描かれます。物腰が柔らかだったりはしても、一線はしっかりと引かれていて、モノを作るためにはとことん冷徹なのです。対して女性二人は、愛情をどこかで信じているものとして描かれていて、セックス依存であったとしても、ファンタジーになっているのです。その対比は、作家の見えてる世界なのかぁと思ったり思わなかったり。
ホテルマンと客室清掃係の位置づけはコミカルなリズムを作りますが、要所要所で、たとえば関係を示したり、外界の視線の役割を持っていたりと、 少ない人数、ホテルの部屋という閉ざされた空間なのに、実に多彩な場面を作り出しているのです。
ライターは最初からデリヘル嬢の招待に気づいていて絵を描かせたのか、あるいは途中で気づいたのか、など少々解釈に戸惑うところは残るのですが、全体としては会話はいちいち腑に落ちる感じで、違和感のない会話を作り出すのがレベル高いのです。というわけで、残った疑問は飲み屋の会話にでも向いていますよねぇ、こういうの。
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