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2008.04.30

速報→「らふ〜嗤う裸のおんな」ロンドンパンダ

2008.4.29 18:00

アタシは初見の劇団。色っぽさをまといながらも、濃厚でずっしりとした物語。公演は29日までで終了。「楽園」で110分。

ホテルの部屋。缶詰になるために作家がこもっているが、夜は自宅に帰るため友人の売れない画家に貸している。画家はデリヘル嬢をモデルとして気にいっていて、毎晩呼んで裸婦画を描くが、ほとんど触ることもない。出入りする編集者は、作家と割り切った関係だが、画家は彼女に惚れている。が、想いは伝えられない。ある日、編集者が作家に連載中の小説の打ち切りを伝える。たまたまデリヘル嬢に出会った作家は。

下着姿のチラシに違わず、開幕のっけからかなり多くの時間が下着姿だったり、編集者はセックス依存でわりと誰彼かまわなかったりと、見かけ上はかなりスキャンダラスというか強い刺激があります。男たちも非道だったり、コミカルだったりするのだけど、徐々に物語は作家と画家、デリヘル嬢たちの背景をあぶり出していきます。

作家と画家の二人を親友に位置づけ、わりと何でも話す関係にしておいた上で、特に後半では、二人はしっかりとしたアーティストに描かれます。物腰が柔らかだったりはしても、一線はしっかりと引かれていて、モノを作るためにはとことん冷徹なのです。対して女性二人は、愛情をどこかで信じているものとして描かれていて、セックス依存であったとしても、ファンタジーになっているのです。その対比は、作家の見えてる世界なのかぁと思ったり思わなかったり。

ホテルマンと客室清掃係の位置づけはコミカルなリズムを作りますが、要所要所で、たとえば関係を示したり、外界の視線の役割を持っていたりと、 少ない人数、ホテルの部屋という閉ざされた空間なのに、実に多彩な場面を作り出しているのです。

ライターは最初からデリヘル嬢の招待に気づいていて絵を描かせたのか、あるいは途中で気づいたのか、など少々解釈に戸惑うところは残るのですが、全体としては会話はいちいち腑に落ちる感じで、違和感のない会話を作り出すのがレベル高いのです。というわけで、残った疑問は飲み屋の会話にでも向いていますよねぇ、こういうの。

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速報→「おいでおいでぷす」青年団若手自主企画

2008.4.29 14:00

ハイバイの岩井秀人による、オイディプスを下敷きにした口語劇。80分、30日までアトリエ春風舎。シアターガイドwebのインタビュー記事が充実。

キャンプにきたグループ。勝手なメンバーたちの下、リーダーの男が指示をしたり、グループを守ったり。が。キャンプの準備を十分にしていなかったために、食べ物がなかったり、風邪ひいたりして、ぼろぼろになる。そこにキャンプの達人を名乗る男がきて、この中に汚れたモノが居て、災いはそのせいだという。

ハイバイらしさが炸裂。出演していないはずの岩井秀人が常に見え隠れしてしまうという問題は常につきまとうのですが、本作もそれに漏れません。リーダーでも他からくる言いがかりの人でも、あるいはキャンプの達人でも、みんな彼に見えてしまう感はあります。が、もちろん青年団の役者たち。水準はクリアした上での贅沢な悩みです。

シアターガイドのインタビュー記事を読むと、たしかに腑に落ちる感はあります。 ギリシャ悲劇の時代の国とか王とというのを、キャンプに来たグループとリーダに置き換えるのをベースにして、飢餓や外敵、肉親関係をご飯が炊けてない、文句云いに来る隣のグループ、恋人との関係、みたいな感じに読み下していきます。それは口語への書き換えというのではなくて、「口語の生きている時代なら何に置き換えるか」という作業なのでしょう、きっと。

終幕が結構絶妙。 「全部自分で云って悲劇に突っ込んでいく」というのは、云われもしないのに謝ってしまうという自己表現にしてしまう人と解釈して、オイディプス王をやけに自意識過剰で反省していることを自己アピールしてしまう、「少々浮いた人」に着地させているのが結構凄い。

反面、キャンプの会話劇に、オイディプスの話を重ねるという形式にとらわれすぎて不自由な感じがしないでもありません。インタビュー記事を先に読んでいれば違う印象だったかも知れませんが、観ている感じでは少々強引な感じも。 当日パンフによれば当初の企画意図か途中で変化したとのこと。いまのまま感じだとあまり良さが十分に出ていない感じがします。が、この延長線上に何か可能性があるかも、という気もします。

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速報→「君の胸に抱かれたい」ZOKKY ののぞき部屋コレクション Part2

2008.4.29 12:20

コンプリート癖はないと云いながら、結局王子通いする羽目に。公演は終了。 胸の大きいことがコンプレックスのオンナノコ、恋人が出来て家に遊びに行くが、カラダ目当てだろうとかたくなになるが。

話を聞いた感じのエロっぽさとは裏腹に、三本の中では一番のファンタジー路線。風船を使ったりして可愛らしくわかりやすい効果やエンディングの美しさ。ちょっとしたアイディアなのだけど見た目に美しくて、この形態にはよくあっています。

個人的な嗜好の問題を(をい)別にしても3本の中では実はイチバン好きかも知れない。刺激の強い「冥土〜」と悩むところではありますが、良くできてる感は本作の方に感じます。 さすがに早い時間であれば待ち時間も少な目で、時間帯によってばらつきがあるのだなぁと思います。確かに予約を取るというのも違う気がするし、表公演の前後に集中するというのは仕方ないところではあるのですが、もう少し何とかしたいところではあります。

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2008.04.28

速報→「オペレッタ ロータスとピエール」シティボーイズミックスPRESENTS

2008.4.27 19:00

いいオヤジたちのゆるゆるシュールなコントを毎年この季節に上演するシリーズ。110分、5月5日まで天王洲銀河劇場。ほぼ常連の中村裕司そのあと大阪、愛知。

(1)来ないピエールを待つ人々。(2)集中力に欠けるオフィス、その集中力を増す為に。(3)前衛音楽の同人の集まり。(4)海辺の知人宅を訪ねると、その家族は。(5)軍隊の訓練、鳥のテクニックを使って暴徒化した民衆を鎮圧するために。(6)役者・斉木しげる[ビデオ]。(7)今ひとつさえないオヤジ、ギターを持っているけど何かをそう作り出せるわけではなく。そこに崇めるように来る男が居て。(8)仮面さえつけてしまば、普段云えないどんなことでも云えるというショー。(9)謎の場所、ナリフリカマワイか、ソコシレヌか二人の男から選んで。(10)意味があるのかないのかわからないグルーブな感じの。

もういい加減五十過ぎのオヤジ達が、毎年こんなゆるゆるでシュールな笑いをやっているのを確認に来るだけで楽しいシリーズ。アタシ的には文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ」のPodcastが大好きで結構聞いているので、そこに出てきたネタ(頭の中で音がする)顔を出すのがちょっと楽しかったりします。ただ、正直な話、観客は選ぶ気もします。有名人が出ているということはともかく、シュール目の笑いで、何が楽しいか判らない、という可能性がないとはいえません。(5)のネタに至っては、単におもしろ可笑しいことをやろうとしている、という以上のものはないし、(10)にいたっては、慣れてるはずのアタシですら何がなにやらという感じもします。ネタとして好きなのは、(2)ですかね。(8)はWOWOWで放送できるんだろうか。

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速報→「男と女」ZOKKY ののぞき部屋コレクション Part2

2008.4.27 18:00

覗き部屋エンゲキ。三本あるうちの、アタシ的二本目。合間に行こうとするから効率悪くて、結局三回通うのですが、アタシは。29日まで王子小劇場。

相談室に訪れる男。見た目に反して悩みを抱えているが、包容するように、女は。

予約が出来なくて、受付に実際に行くしかないシステムは、そうするしかない感じはするのだけど、受付時点で読んでいる時間と、実際に観られる時間の誤差が結構あって、隙間に詰め込もうとするあたしにはちょっと辛い。そのおかげで昨日は助けられたところもあるのだけど、処理量と、無駄と感じさせる時間をどう低減できるかがポイントになる気はします。もっとも、1時間とか1時間半でコンプリートしているという声も聞きますから、単に運が悪いとか、アタシのねらい所が良くないだけという気もします。

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速報→「莫逆の犬」ONEOR8

2008.4.27 14:00

ココリコの田中直樹を客演に迎えての新作。静かに沈殿する一室の厚みの110分。27日までTHEATER/TOPS。

女が住むマンションの一室。同棲状態の男は、部屋から一歩も出ない。引きこもりというはないが、指名手配されており、それを女が匿い、男の父親が経済的に支えている。時間が経つうちに部屋で息がつまりそうになる女は。

いわゆる芸能人を中心に据えているものの、笑いをそう大きくとるでもなく、感動大作というわけでもない、わりと地味な話というのがたいしたものだと思うのです。10年間家から一歩も出ないまま、家主の帰りをいつまでも待っている犬のような男の姿。本人は主人に忠実ではあるけれど、まわりは確実に変化していっているし薄々気づいてはいるのだけど、最後まで認めない男。救いがないといえば救いがない作りで、冷徹にその場所を描写し続けている感じがあります。

窓下のサクラを下から観たいという、最初のころの男のささやかな願望や、パソコンを買った日に話した「出来事」に出てくる赤色の強い桜の話は、終幕至りに窓から吹き込む外の公園から吹き込む花びらに重なるように、真上からの真っ赤な花びらが印象的。それは現実にはない高い場所から降ってきていて、現世から離れた瞬間を強く印象づけるのです。

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2008.04.27

速報→「冥土の果て」ZOKKY ののぞき部屋コレクション Part2

2008.4.26 22:05

たった一人で覗き穴から観る超短編演劇の新作。昼夜の芝居の間に観ようとしていましたがかなわず、番号だけとって、キリンバズウカの観劇後になんとか一本だけ。1~2時間やっては20~30分ほどの休憩というペースと、人の波によって時間帯によって殆ど待たなかったり90分待ちになったりするのは痛し痒し。29日まで(28日休演)、王子小劇場・裏。5分程度。

明らかに風俗店という店に迷い込んだ少々場違いな男が踏み込んだ世界は。

劇場の裏、幅一杯にしつらえた壁。アクティングエリアを確保することに成功しています。覗き穴まわりの壁が光るかのような演出のトランス感、待合室の明らかに風俗店のような怪しさと合わせて、実に作り込まれています。一人ずつしか見せられないのに、役者も数人、スタッフも数人と、こんなにも非効率な芝居を真剣にやってしまうという心意気にともかく打たれるのです。回を重ねるごとに場所や見せ方が洗練されてきていて、サイトやチラシのデザインも費用はかかってないかもしれないけれどセンスがよくて、全体で一つのブランドといってもいいぐらいに完成度が高いのです。

覗き穴から見せる魅力は、映像に近いカット割りがきっちり出来ることなのではないかと思うのです。ズームもアップも自由で、観客の視線を固定できる手法なのです。映像と違って、向こう側に居る役者と「本当に目があってしまう」ということはナマゆえの魅力。

「冥土の〜」は、その風俗店感満載で、墜ちていく至福の表情の男に自分を重ねてしまうのはやっぱりアタシがオヤジだからですかそうですか。

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速報→「飛ぶ痛み」キリンバズウカ

2008.4.26 19:30

「関西の最終兵器」が上京3年半、満を持して。前売り完売、追加公演2ステージというのも評判。100分。29日まで王子小劇場。全体を見渡せる正面側の方がストレスは少ないかも知れません。

孤島にある施設。死期の近い患者(モニター)3人と、それぞれについた職員たち。痛みを他人に「飛ばす」ことができる技術が開発され、痛みを感じないモニターたちについての調査を行うのがこの施設の目的だった。あまり働かない所長の代わりに新しい医師がやってくる。奇妙にバランスしていたコミュニティのバランスが変わる中、具合の悪そうな女がやってくる。

タイトルどおりの「飛ぶ痛み」の世界の話。毎日のように告白していたり、やけに溺愛してる関係があったり、自殺を毎日のように試みようとしてるけど周囲は慣れっこになっていたり、少々頭弱めでドジな職員がみんなに可愛がられているけど、気に入らないと思ってる人が居たりと奇妙にぬるくバランスしているのを描く前半。平凡な一人が加わることでバランスががらがらと変わるシーンがちょっと面白い。 「飛ばされた痛みを受ける人」とか、「彼女に何もしてあげられないならいっそ死んでしおうと考える人」などを通して他人から観ればごく偏った愛情の姿をいくつもバリエーションして見せる中盤でしっかりと核を作り、その外側に「観察する人される人」の関係やら「飛ばせる痛みを受ける人」や「飛ばせない痛み」を描く終盤に着地。

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速報→「HIDE AND SEEK」パラドックス定数

2008.4.26 15:00

三人のミステリー作家をめぐる。120分。27日までザムザ阿佐谷。

夢野久作の自宅に編集者から逃れやってくる江戸川乱歩。あとからやってくる横溝正史は二人の連載をしている雑誌の編集長だった。

ある事実をベースに敷きながら、史実にはない場面を豊かな想像力で妄想的に補完するのが魅力の作家で人気の劇団。

昭和の頭、 三人は知り合いでわりと近い間柄だったというところを起点にしながら、やがて物語は三人の作家の話を越えて作家というモノの頭の中をのぞき込むような、その中を見て回るような体験。これを観たアタシの友人たちは劇中にも登場する「ドグラ・マグラ(青空文庫)(wikipedia)」を指摘する声多数。読んでないアタシ(この辺が教養とか常識ってもんなんだろうなあ)には、その面でのおもしろさ(相似形なんだと想像します)は今一つ見えては来ません。

それでも、勝手に動き出す登場人物たちと二人三脚し、格闘しねじ伏せながら絞り出したり、物語が頭のなかでどんどん生まれ出るのに書き出さない作家やらをみせる感じはわくわくがあります。床に貼られた大きな布から登場人物達が文字通り「立ち上がって」くるあたりなんか秀逸な感じでアタシは好きです。

どん欲に面白いモノを読みたいという読者と才能ある作家。こちとら金払ってるしいくらでも代わりはいるんだという読者のある種の暴言は、ふらふらと芝居を渡り歩くアタシの気持ちの向こうがわにいる作り手たちの気持ちが透け見える気がしたりしなかったり。そうは思ってないけど安全地帯からいいだの面白いだのつまらないだの云ってる、ってわけで。いいわるいではなくて厳然たる事実として、確かにある深い溝なのです。

事件というよりは人物と背景だけを借りて作家の脳内で緩く遊ばせているという意味で、「プライベートジョーク」に近い印象があります。彼らには珍しく、柔らかい笑いがふんだんなのも珍しい。が、アタシが彼らに期待するのは、もっとキリキリとタイトに作り込まれた物語だったりもするのですが。

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2008.04.24

ドラマ観てますか?

ドラマってのは観るシーズンと観ないシーズンの落差が激しいアタシです。

どうしても結婚できない、とかそんなネタについつい惹かれてしまうアタシ好みが数本。 でも、仕事がバリバリできて、金銭的には裕福でってのは、ちょっと 「無理な恋愛」の軽やかさ、切なさ感はちょっといい予感。ありえない大金持ちという設定はむしろすがすがしい。品川近辺でロケけっこうやってるのはこれかなぁどうかなぁ。 「Around40」はちょっと裕福さが鼻につく感じはしつつ。これにドラマじゃないけど「ヤッターマン」(評判の悪かったテーマ曲アーティストを変えたのは正しい)とか、昔観た芝居にちょっとネタの似てる「絶対彼氏」(しかし視聴率惨敗の組み合わせでまたドラマ作るとは大した度胸だ)とかを脇目でみつつ。

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2008.04.21

速報→「34/33」イマカラメガネ

2008.4.20 19:00

エチュードから芝居を立ち上げるというイマカラメガネの新作。80分。21日までアルシェ。

小さな芸能事務所、先輩マネージャーは売れっ子を引き連れて大手に出ていってしまう。残されたマネージャーは奮闘するが、我が儘なタレントたちに手をやきうまくいかない。

34歳間近の男、なにもかも仕事がうまくいかず閉塞感いっぱいになってしまう感覚。迫る身体の不調や兄弟たちの心配。年齢がそこまで来たということなのかもしれません。当日パンフによれば今までは女性視点だったものを男性中心に据えて描いてみたのだといいます。この手の責任感、というのがオトコを感じさせるということかもしれません。

身体の効かなさ具合は芝居の中では描かれるほど深刻ではありませんが、年齢なりに感じたりもするお年頃のアタシには、ちょっとグッと来たりします。あたしの好みとしては、もっとコントロールされた物語が、もう少しタイトな時間の流れの中で観たいなぁとおもったりもするのですが。

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2008.04.20

速報→「最北端の姉妹〜長女のヒグマ」バジリコFバジオ

2008.4.20 14:00

アタシは初見の劇団。2004年初演の「最北端の姉妹」を二つのバージョンに改訂再演なのだそう。アタシの観た「長女のヒグマ」編は時間軸としては後に来る100分。22日までOFF OFFシアター。

医者の居ない北端の地の診療所。看護士マサエとその妹の中学生・イリエが暮らしている。そこに、結婚して家を出ていた長女・オリエが出産した娘を腕にやってくる。夫と一緒に暮らせないと、突然姿を消して逃げてきたのだ。その数日後、マサエは娘と一緒に姿を消す。

アタシは初見なのだけど、劇団の特色は人形劇の要素を取り込むことのよう。日程の中には「人形劇」という回もあったりして、今作の劇中にも、かなり本格的に作り込まれた人形がいくつも役として登場してきます。前説として登場するほか、一種のファンタジー世界を一種独特に作り出すのです。確かに他にはない感じはあって、独自性があります。

前半はわりとバタバタした感じ。客演の今藤洋子のドタバタとしたコメディエンヌとしての強さを感じさせますが、前半は台詞も叫び気味、本当にドタバタで妙なキャラクタが次々出てはくるのだけど、物語の立ち上がりがもっと欲しい印象。

部屋の真ん中に鎮座する大きなレコードプレーヤーの謎が動き出す後半に結構見応えがあります。姉妹にまつわるモチーフが顔を見せたり、名前もそれに纏わっていたりして洒落ていますが、それはあくまでも味付けという印象もあります。

更に別世界に移ってからの、「幸せ」にまつわるあれこれはちょっといい感じ。なぜ長女が夫に愛想を尽かしたのか、「子供も産まれるし引っ越そうか」というあたりから始まる会話の成立しなさ具合を語るくだりが秀逸。妻の喋る途方もないことを嘘ととらえて、否定するでもなくそのまま受け流してしまう夫。それは嘘ではない、会話を回そうとしてるのだという妻と姉妹たちの主張の、些細さけど根本的な溝の描写がちょっと面白い。

これをファンタジーのまま終わらせるかと思いきや、現実世界に引き戻し、それがどこか自閉しているように見せるエンディングは、大人向けの童話のような、少しばかりの怖さがあります。

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速報→「あなたの部品 ファイナル」北京蝶々

2008.4.19 19:30

早稲田劇研・北京蝶々の大学アトリエからの卒業公演。75分。27日まで。

東京でのオリンピックが間近な日、輸入が滞り逼迫する日常生活の中、近隣国からの外国人に対しての強い反感が危機的状況になっている。義肢装具士を営む男、そこに出入りする様々な立場の人々。

審査員特別賞・観客賞を受賞した若手演出家コンクール2007での60分は観ていないアタシです。キャストの入れ替えはしたようですが、物語の大筋には手を加えずに少し増量したのだといいます。

オリンピック・中国・エネルギー・戦争協力など社会情勢のあれこれを細かく織り込んだ物語。中国に肩入れするような基調でイデオロギーっぽさが前面に出ていて重厚さを感じさせる反面、少々の笑いはあっても、いつもの軽やかさや薄い印象もあります。それでも、75分という時間の中にこれだけの題材を織り込み、物語として見せ続けるチカラはちゃんとあって、受賞作というのも頷けるのです。

主義主張のようなものが強く出ているのですが、作家が描いたいのは、そういう大上段よりももう少し地に足の着いた細やかさだという気がしてなりません。何の根拠もありませんが。

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速報→「月の砂をかむ女」桃唄309

2008.4.19 14:00

桃唄では結構久しぶりという気がするがっつりSFの一本。120分。20日までザ・ポケット。

2084年、東京都による月面開発局による十三次調査隊。月面の表側ではかなり活発に開発が進んでいるが、東京都は裏側のクレーターを取得、裏側では現在稼働している唯一の月面基地となっている。予定していた補給船は到着せず、通信設備もある事件で破壊され復旧のめどが立たない。連絡も補給も断たれた調査隊は限られた食料の中、なんとか救助を求めようとする。

限られた状況の中で最大限紛争する人々、観測の予算は選挙やら政治やらの都合でカットされたり後押しされたりしながらもじり貧状態。チームはプロフェッショナルだが、おもったような研究成果が上げられているわけでもない。酸素欠乏やらリーダーの重責やらさまざまなことがチームを襲います。明らかに非常事態なのにどこか淡々と落ち着いているのはリアリティがないといえばそうなのだけど、プロフェッショナルな感じはよく出ています。

芝居としてみると、かなり地味な印象は免れません。後半になって多少の盛り上がりはあるのですが、全体に淡々とした語り口。加えて、かなり自在に数ヶ月単位で時間が前後して描いていくために、この感覚に慣れないと、物語を追いかけるのは相当苦労する感じがします。ある時点、そこから数ヶ月前の出来事という繰り返しをしいくのに加えて、現在にあたる時間も数ヶ月単位で進んで行くために、一点にとどまる場所がないのも困難さかもしれません。もっとも、場所はほとんど一点の基地内の娯楽室にとどまりますから、そういう意味では最近の桃唄よりはすっきりしているともいえます。

スタートレックでもガンダムでも、主軸となる派手なエピソードとは別に、サイドストーリーというか埋め草というか、わりと地味なエピソードが混じっていたりします。本作、それによく似た味わいがあります。確かにこの手のエピソードだと、現在・回想というのを繰り返しながら描くことが多い感じがしますから、そのフォーマットにはよくあっています。こんなにも地味な話を、びっくりするほど丁寧に丁寧に積み重ねて描いていくのです。

補給よりも取材のカメラが先に到着してしまうというエピソードが結構好きで、その理由というのも確かにありそうでちょっと面白い。冷静沈着で徐々に成長していく「高橋」という存在もスタートレック的でちょっと面白い。会話に出てきたパラドックスで「再起動」してしまう感じもとてもいい造型。意味がなさそうな研究があとで意味を持ったり、リーダーたりえなくなってしまったリーダーの悲哀というか頑張りというのも、実にいい手触り。

反面、コメディという割には笑いは少なめ、地味な上に物語を追いづらいという点では、あまり万人受けしないのではないのかなぁとも思うのです。そう楽しめばいいのだと判るまでが、アタシにとっても少々長く感じたのもの事実で、前半に盛り上がり感があると見やすいなぁと思ったり思わなかったり。

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2008.04.17

歳はとるわけで

何がっていうわけではないのだけど、今まで通りに遊びほうけても回復が遅いとか、筋肉痛が出てくるのが更に遅くなるとか、さまざま変調してくるよなぁ。気持ちで楽しいことだけ考えても、ついて行けなくなりそうな予感の昨今、自愛、じあい。

週末。

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2008.04.15

速報→「御前会議」青年団若手

2008.4.13 19:30

平田オリザの日本人の特質に切り込む2005年初演作の再演は「歌わないミュージカル」。14日までアトリエ春風舎。90分。

円形のテーブル、集まった人々は様々な問題について話し合おうとする。「駐輪場について」「披露宴の席順」「宇宙人について」「邪馬台国の場所」「人間は何のために生きるか」など。その議論は、お互いのプライベートに踏み込んだり、聖断を仰いだり。

さまざま先送りにする日本人の会話とか会議、あるいはわけのわからないまま巻き込まれていく過程の怖さの物語は初演そのまま。そこに、議論するところにラップのリズムを重ねて見せるという趣向。たしかに腑に落ちる、ある種のアタシ達の中にあるリズム。確かに滑稽さを増す効果はあります。 が、確かにアタシの友人が云うように、そこに新たな付加価値ってのはあるのかないのか、という点ではちょっと微妙な感じではあります。もちろん、アタシ大笑いはしたわけですが。

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2008.04.14

速報→「恋人としては無理」柿喰う客

2008.4.13 15:30

フランスの学生演劇祭に参加したあとの帰国凱旋、一日限りの三回公演。本編60分、トークショー30分で構成。恵比寿、ギャラリーSite。

エルサレムの街、イエスと十二使徒が訪れる。街をあげての歓迎ムード。使徒たちは、イエスの言葉を聞くが、解釈で割れ仲違いし、仲直りし。歓迎されるということはその期待も大きく、それに従えななかったがために..

キリストに限らず宗教にはとことん疎いアタシです。雰囲気を知ってはいても、聖書に手を出したことはありません。だから、このようなスタイルで扱うことが、それを信じている人にとってはどう感じられるのかはちょっと心配だったりします。

が、まあそこには抜かりはありません。トークショーによれば、作家は「半分キリスト教(片方の親が、ということか。よくわかりませんが)」なのだそうで、聖書は大好きでそこからずっと書きたかったモチーフなのだということ、フランスでの公演にあたっては、キリスト教をほとんど知らない日本人を相手にするよりもある種の共通認識だと感じたのだといいます。フランスもキリストも知らないあたしは、そう云われれば信じるしか無いわけですが。

少ない人数、高いテンション、早口の台詞。といえば、昨年の王子小劇場での公演にフォーマットは似ています。今作ではかれらは、登場人物たちを5人の役者が入れ替わり立ち替わり演じていくというスタイルを加えています。

役者は同じ黒いスエットで揃えているために、このままでは 混乱しそうなものですが、帽子やヘッドホン、フラフープ、新聞などさまざまな道具と役を一致させ、「ヘッドホンをつけていれば、ユダ」「鞄を持っていればマタイ」というようにルールを決め、それを役者たちが入れ替わり立ち替わり演じていくという方法をとっています。

イエス自身は出てきません。その言葉を聞き、解釈に割れ、かれを祭り上げるべきなのかどうなのかのさまざまは、聖書に書かれていることがどれほどかはわかりませんが、意外なほど頭にきちんと入ってきます。男ばかりではなく実は女性、みたいな役もいくつか設定。裏切り者ではあるユダも含め、イエスのことが好きな人々という確かなつながり。その濃密感も、見せ方の巧さも含めて確かなチカラを感じるのです。

トークショーによれば、これをほぼそのまま、字幕もなく上演したのだといいます。ドラッグやってるのか、なんていう質問が飛んだりもしたようですが、少なくとも作家には視野が広がった、のだといいます。何事も経験ですからね。アタシもがんばんなきゃと思います、はい。

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2008.04.13

速報→「私、わからぬ」空間ゼリー

2008.4.12 19:00

五年目にしてRED/THEATER進出。ハイペースで階段を駆け上がる新作。120分、13日まで。

日本家屋のリビング。お茶を教えている母親とリストラされた父親、夫が失踪して出戻ってきている漫画家の長女、夜のバイトなどことあるごとに他の家族と衝突する次女、就職がなかなか決まらずに焦っている末っ子の長男が暮らす家。お茶の生徒や編集者などさまざま出入りして。

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2008.04.12

速報→「洞海湾」サモアリナンズ

2008.4.12 15:40

サモアリナンズこれを以ての休止宣言の公演。97年のラフカットに書かれた松尾スズキ脚本。あたしの観た日曜昼は機材トラブルで1h40押し。120分。15日までスズナリ。

田舎のスナック、二階に風俗もあったりして腐ってる人々。唯一東京に出てテレビのリポーターになった女が希望の星でその番組を待っていたりする。

サモアリ自体、ずいぶん久しぶりに観た気がします。サモアリのアタシの少ない経験からは アドリブ主体でヌルイ笑いという印象なのだけど、ちょっと離れた感じ。まさに松尾スズキっぽい印象の設定。たしかに達者な役者たちなのだけれど、物語の制約なのか何なのか、爆笑編という感じでもなく、少々不自由な感じすらするのです。

初演の感想を観ている感じでは、もっと物語の輪郭がはっきりしている印象なのだけど、今作は、そこがぼやけた印象があります。反面、役者の飛び道具的な強さはあって、役者を楽しむ舞台になっている感じがするのです。

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2008.04.09

風邪を予感して

いえね、先週末から鼻水が出まくりで、いよいよアタシも花粉症になったかと戦々恐々だったのです。でも月曜少し熱っぽく、体温調整がうまくできない感じがして、まあそれでも会社行って。火曜朝ご飯食べて坐ってみたら、同じような感触。明日水曜は休めない感じなので、今日のうちになんとかしようと思って、かかりつけに。

予感的中、いつもと同じ薬を処方して貰って、そういえば家にも同じの残ってたなぁとおもいながら、ちゃんと診断して貰いたいよなぁと思ってしまうのです。誰かに決めて欲しい感、てのはアタシらしいですかそうですか。

呑み会行き損なったのが惜しいよなぁ(泣)

週末。

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2008.04.07

速報→「スケッチ・オブ・ザ・ピザ・ナイト ~香ばしい、春の一夜~」競泳水着

2008.4.6 19:00

早稲田から外に出た初めての今年、トレンディードラマ三部作と銘打つ2008年のプロジェクトの一本目。7日まで王子小劇場。90分。

四つの場所、 帰りが遅く会話が成立しない夫婦、妻が宅配ピザを頼む。 ピザ店バックヤード、バイト面接に来た絵を描く女、バイトたち、店長。 バンドしている若者、それぞれの進路も変わりつつ。 初めての同棲。

おおまかに四つの屋内と、いくつかの外ロケーション。ゆるやかにつながっては居ても、あまり絡み合わないまま、しかも変化しないまま進む人々を細かく描写。交差するようで交差しない、うまく行くようでうまく行かない、破局するようで破局しない。「つかず離れず飼い殺し」はたしかにかつてのトレンディードラマの定石ですが、それだってさすがに最終回には何かの落としどころがあるはず。なにも変化をさせないまま、引っ張り続けるという実験という気もするのですが、そうだとすると、ちょっと意地が悪い。更に、90分の芝居三本、一年で、完結させるつもり、なんてことはまさかないと想いますが。

軽く楽しめるよう、何カ所か笑わせるように呼び込んだりもしていて、それは舞台奥の夫婦に集約されています。この難しい場所に作演が演じる夫を配するのも正しいし、舞台全体の流れの中で笑いが欲しいようなリズムの場所にきちんと奥の夫婦のシーンがあるというのもたいしたもの。これで受ければ、うねりのようなリズムが生まれると思うのですが、すくなくとも日曜夜の客席はあまり多くは受けるに至らず、すこし残念。

もう一つの弱点は、あまりに美人揃い、男も美男子揃いということだったりします。見目麗しいのはもちろんうれしいのだけど。若い役者たちですから、圧倒的な存在感、というわけにはいきません。美形揃いは、逆に平均して見えてしまうというか。全体に暗い照明の中と、明るいテレビの画面ではやはり違うのです。アタシが観た上手ブロックからだと顔が見えない向きの対話も多く、遠くに男二人が並んでてもちがう風に見えない(オトコに興味がないからですがそうですすみません)のです。

カップルになろうとする二人の夜桜、よりを戻そうとする男の悪足掻きときっぱり切ろうとする女のカップル、畳の部屋で肩寄せ合う二人、聞いてないと思っていた夫のわずかな会話の記憶。どれもがアタシにはまぶしすぎるのです。まだ、遠い日の花火、ではないと信じたいのですがねぇ(泣)

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速報→「うちのだりあの咲いた日に」青☆組

2008.4.6 15:00

吉田小夏の処女戯曲の5年ぶり再演。13日までこまばアゴラ劇場(劇場支援会員2008年度としての最初)。105分。

寝たきりの祖母と同居する二十歳の孫。他の家族はすべて別居していて、殆ど集まることはない。日常の介護は殆ど住み込みのヘルパーに頼っている。 日曜日、七回忌のため海外で暮らす父母たちも帰国してくることになり家族が集まる。父母たちの到着が遅れる中、孫たちが家族や恋人を連れてきて...

法事の場を舞台に、実家に寄りつかなくなってしまったり、住み続けている孫たち三人の話を主軸に。家に確かにすんでいたころの記憶、居なくなってしまったものへの想い。あるいは多感な高校生の突っ張り具合と素直さが交錯。わずか100分ほどの中に、こんなにも多くの想いや関係を詰め込んでいるのです。食い入るように観ているうちに、こんなにも物語があるのに未だ半分とか思ったりして。長いという意味ではなくて、会話がゆっくりしているのに、その密度の凄さに唸るのです。

しかし、今でも十分若い作家、その初めての戯曲(25歳ぐらいってことか)でこの細やかさ。トークショーによれば一つのシーンを除いてはほとんど変えていないのだといいますが。いえ、若い女性が細やかじゃないということじゃないのだけど、たとえばお茶の淹れ方一つとっても、ヘルパーは湯呑みに取り急須、長女はそのまま急須。お菓子を小さく割って一つだけ食べるキャラクタ(6日昼は思いもよらないこと起こったようですが、これもトークショーネタ。)とか、ともかく細かいし、細かいだけではなくて全体に見通しのいい感じに作られているのです。

法事で僧侶の有り難い話、というのは確かにその通りなのだけど、多少インパクトというずるい手を使いつつもそこに一癖もふた癖もスパイスを加えて、振り幅の大きさで見せてしまうというのがちょっと凄い。そこにヘルパーや連れ子の女子高生の会話、あるいは犬を家族と言い切る隣人夫婦の寂しさ、さまざまな視点が積み重なり、厚みが出てくるのです。「うちのだりあ」という考え抜かれたタイトルもちょっと凄い。

難点が無いわけではありません。上手端庭の手前側で行われる低位置の芝居は後方からは見えづらい気がします。幸運にもアタシはその最前列でしたが、そうすると下手端の女子高生とヘルパーの会話とか、僧侶の語るシーンとかが見えづらい感じだったりもします。見せ場を上手下手両方に振る、という点では巧いとも思いますが。

タバコに関して厳しい昨今、タバコのシーンが多いばかりではなく、誰が喫煙するかにも厳しい目が向きがちな題材ではあります。が、そんな些細なことを大騒ぎするのはテレビに任せておいて、その中に見える人の関係を見据えた方が、芝居は楽しいと思うのですが。今作についていえば、タバコに見える医薬品(これもいろいろありそうですが)を使っている、のだそうで気配りはきちんとされています。これ、タバコ無しじゃ成立しない話だもんなぁ。

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2008.04.06

速報→「きみがいた時間 ぼくのいく時間」(2回目)キャラメルボックス

2008.4.5 19:00

長い東京公演の終盤近く。今日知ったのですが、この公演でサンシャイン劇場は改装に入るとのことで、この劇場で沢山の芝居を観たことにも感謝しつつ。更に 土曜夜は看板の西川浩幸の2500ステージ記念として手ぬぐいを配布(翌日以降は販売--終演後挨拶で云った知らなかったなんて嘘じゃないかぁ)。盛り上がった客席のコールが何度も。サンシャイン劇場での公演は7日まで、そのあと神戸・大阪。原作

前回よりは正面から見える席、近くはなりましたが、思ったよりもあまり印象は変わりません。このステージ数を経て、それでも安定したクオリティを昼夜にきちんと。

前半は観客との共有、ということもあるので少々長い感じは否めません。が、それがあとから効いてきます。その後半の凄さが圧巻。坂口理恵・上川隆也の二人の演ずる役の長い長い時間。結ばれない二人の物語しかもその二人の物語の儚さがあたしの気持ちを震わせるのです。

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速報→「COLLOLリーディングシリーズ「recall: 2」」COLLOL

2008.4.5 14:00/15:30

COLLOLのリーディングシリーズ、recall、その第二弾。公演は終了。vol.3「メデイア」は70分、vol.4「虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)」は当初の告知のほぼ倍、60分。門仲天井ホールでの公演は5日夜で終了。

ギリシャ悲劇「メデイア」、高橋源一郎「虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)

「メデイア」は、目を奪われる見目麗しい女優たち。衣装だって刺激的。 メデイアの役をを共有し、ほかの役を分担するというたくらみは面白いし、 コンパクトにリライトされて見やすくなっています。

女たちの抑圧とか結婚で人生変わるとかという女性視点を強くフィーチャー。それぞれの役者のメデイアには役割があるのかもしれないけれど、今一つ明確に分化して見えない気がします。それぞれが二役を持つために、声の高低で分けているのだけど、両方が安定しづらいのは痛し痒し。津島わかなはその中で両方を安定させている感じがします。

「オーバーザレインボー」どころか高橋源一郎すら読んだことのないアタシです。ネットで探してみても、わりと「物語は無いような感じ」で「多彩な引用や技法がふんだん」だという感じ。その印象は舞台においても変わりません。物語を追おうと思っても、簡単に置き去りにしてしまいます。が、 ものすごいたくらみに満ちたメタ小説を、リーディングにしようというたくらみ、役者の圧倒的なチカラで迫力ある仕上がりになっています。

役者が巧者であることも含め、「オーバーザーレインボー」は圧巻。特に清水宏の多彩さには舌を巻きます。言葉をパーカッションに乗せるのはアイディアとして面白くてアクセントになっています。

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2008.04.04

年度替わり

前の職場の人が計画してくれた送別会。たった1フロア違うだけなのだけど、会わなくなってしまうってのはあって、懐かしさすら感じてしまうのです。今の職場にも31日までだった方、こちらの壮行会は先週楽しくて。1日からは新しい人もjoin。自分もほぼ新人状態、入学式の感じがする四月。

あるいは週末の旅行。ものすごく久し振りの方々と話したり、呑んだり。決して近くはないけれど、つながり、みたいなものは感じるのです。

そういえば、CoRichが、チケット管理システムを導入。決済機能は持たないようなので、シバイエンジンのPrismに近いもののようで、より大手で公演データの蓄積もあるCoRichの参入ってのは、はたして。 ここでどうやって経済を廻していけるのか、というあたりはどっちにもものすごく期待しつつ。

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