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2008.03.21

速報→「或ルゴリズム」電動夏子安置システム

2008.3.20 15:30

あるルールに従った世界、というのが得意な電夏の新作、120分弱。23日までDuo STAGE BBs。

人間そっくり、人格はあっても、人間ではないアルゴ=リトミ。3つまでの単純な動作をプログラム出来るが、それ以外の動作は必要最低限度しかできない。あまり出来の良くない不良品を集めた施設。監視が付き、まるで牢獄のような場所に監禁されているアルゴ=リトミ。そのとき奇跡は起こって。

7人が対等な話になっているチラシのあらすじとは少し話が違っています。 動きの制約、3つ迄に制限されたアルゴリズムというアイディアや、今プログラムされているアルゴリズムを見えるようにしているセットは悪くない感じなのです。ある制約の課された世界のなかで人がどう動くのかを見せるというのは小劇場には時折見えますが、実際にはなかなか難しいのも事実で。

今作に関して言うと、ルールはあるのだけれど、どこまでが制約で出来ないことなのか、あるいは最低限に許されている自由な動きにするのかという線引きが曖昧な感じに見えるのがちょっと勿体ない。歩くと言うことすら制約にしようとするから(で、そのルールと作る目論みもわかるのだけど)、やはり所々に無理があって、そのルールが徹底しないように見えてしまうのです。締まらない感じになってしまうのだけど、それをコメディだからといってはいけないのです。むしろコメディだからこそ徹底出来れば何倍もの効果を生むと思うのです。

恨まれている、バレれば殺されるという、人々の恐れや自分たちの正体がわからないことの恐怖は何度も語られるのだけれど、それが迫ってこない感じなのも勿体ないのです。なにより、着ているものがまったく違う二種類しかないのにそこに気づかないのも不自然な感じ。もっとも、これで衣装同じにされてしまったら、アタシが混乱するのは目に見えていますから、偉そうなことは云えないのですが。

看板だけあって、渡辺美弥子は突出しています。深い恨みからコミカルまでダイナミックレンジの広さも、大きい目と表情の豊かさは舞台を支えます。ナイフ振り回すあたりの動きの面白さ。 なしを成のテンションも楽しい。

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