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2008.03.21

速報→「箱」メタリック農家

2008.3.20 13:00

繋がる4つの関係が鮮やかに。前売りは完売しているようです。60分、23日までギャラリールデコ4。

壁に掛けられた絵、署名もタイトルもないため鼻持ちならない勝手な批評されるが、やがてその絵の見どころも見えてきて「価値無価値」。
ネットゲーム、ほのかな恋心がうまれ、実際に会うことにするが、実際の私は暗い「フィギュア」。
醜い容姿と思いこんでいる女、意識しなくても美しい人々との対話。そのうち鵜呑み、可愛くなりたい一身「コロシアム」。
ファミレス、彼女の話で盛り上がる男4人、そして同じように坐る「雨夜の品定め」

タイトルのついている4本にプラス、引きこもる男の家庭の物語が全体を繋いで。

チラシにあるとおり、「どんな方法を使っても、可愛くって言われたい」に溢れた物語。四つの話にはしてあるけれど、全体をゆるやかにつなぐようになっていて、60分の中で実に巧く作られています。認められたい、受け入れて貰いたいのは何も恋心ばかりではなく、それは親だったり、世間だったり、女だけじゃなく男だって、とさまざまな側面もきっちり。

笑わせながら、作り上げるシンプルな想いが美しいのです。白で統一された衣装の中の一人黒い衣装というのも効果的。

アタシが好きなのは、真ん中あたりの町中のシーン。キュレーターが落ちていた紙くずを拾うシーンは終幕の、もう一つの紙くずのシーンに繋がります。全体に認められたい人々の話の中で、「認める側の人」は、アタシ達を見守ってくれる女神のようでもあります。

もうひとつ、デートに出かけた二人の遊園地のシーンが実に素敵。まさにめくるめく、という感じで、二人を追いかける手持ちカメラのようなシーンが美しい。

たった60分でこれだけの濃密。たいしたものだとおもうのです。

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