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2008.03.10

速報→「なるべく派手な服を着る」MONO

2008.3.9 15:00

京都の劇団、MONOの年一回の東京公演。13年ぶりという客演は世界を広げるのに功を奏しています。16日までスズナリ。105分。

建て増しを繰り返して迷路のようになった田舎の家。父親の先が長くないと知り、兄弟たちが集まる。四つ子、弟、養子と妻や恋人も一緒に。その中だけの決まり事は嫁たちには理解出来ない。寝たきりの父親が鳴らす鈴、息子たちが行くと。

全体に軽い会話、笑いが沢山。気楽に観られるし、芝居を見慣れなくても(スズナリの椅子さえ我慢すれば)楽しめること請け合いの一本。むしろ、嫁いだ経験のある女性にこそ観て欲しいと思うのです。

四つ子とはいえ長男次男三男四男というヒエラルキー。末っ子の六男は養子で母親の顔を知らないということもあって全てにおいて優先されて可愛がられる。五男は陰が薄い。その妻とか恋人たちとかという割と複雑な関係をたった15分で(笑わせながら)あっという間にくみ上げてしまう凄さに舌を巻きます。そして、その関係を変化させる事件が起きたりして、バランスオブパワーが崩れていくという過程を、観客に悩ませることなく、しかしスピード感をもってしっかりと伝えるのも凄いのです。

女性二人の劇団員が抜けてからのMONOは男たちだけでの芝居が続きました。が、やはりこういう家族の姿を描こうとするときには女優があることの厚みを痛感します。女たちには理解できないその家族だけのルールが圧巻なのだけど、それがちゃんと物語の理由付けになっているとか、後から考えれば考えるほど隅々まで考え抜かれた構造だと思うのです。

なぜ、そんな家訓が成立する訳がないことに気づかないのかとか、アラがないわけではないのだけど、それはとても些細なことだと思うのです。エッジな芝居も楽しいけれど、あたしはこういう芝居がコンスタントにかかれば、安くはないけどデートに向いてると思うのだけどなぁ、自分が出来るかどうかは別にして。

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