速報→「罪と、罪なき罪」リリパットアーミーII
2008.3.22 19:00
元々は中島らも座長の劇団ですが、洒落た感じから、ベタな大衆演劇寄りにシフトしているのは、ラックとの差異化ゆえかもしれません。月火は当日券も厚めに出ているようですが、立ち見覚悟で2列目に座れてラッキー的な。
明治、牛鍋屋が流行り、男女が同権だと気づき始めた時代。裁判に関して統一的な制度を作らなければとおもう人々。外国の皇太子に巡査が切りかかる事件が起きる。弁護もないまま大逆罪で死刑になるかと思われたが。
史実を中心に据え、見えていない場所を作家の想像力で補完するという意味ではパラ定的ではあります。なのですが、座長芝居のようにアドリブをてんこ盛り、撮影のために入っているカメラやチケットの売れ行きをネタにしてみたりと、緩い感じに作ります。
大津事件をネタにしながらも、どこまでは史実かはよくわかりません。死刑に黎明期の日本の裁判制度に燃える男たちの活躍ですこしばかり光明が差したという流れではあるのだけど、ちょっと史実とは違う気がしないでもありません。何より、あり得ない天皇の登場があったりして、そもそもそういうものを求めるアタシが間違ってる気がします。それでも人の想いに焦点を当てて一気に見せている感じはあって、現実にあったこと、ということに目をつぶれば、笑わせ楽しませるように作られていて楽しめます。
講釈師を演じた千田訓子のテンポの良さ、ひっぱってくれる感じはゆるゆるになりがちなこの芝居をちゃんとリズムに乗せている立役者。これがリリパ所属としての最後の公演になる生田朗子にもうひと花欲しかった気もします。客演では粟根まことのはじけっぷりが、スズナリのキャパには胸焼けするぐらい楽しい。
開演20分押し。隙間無くつめ、舞台の上でコング桑田がかっちりと誘導しているおかげでちゃんと客席がコントロールされている感じ。そのおかげで入れた当日券のアタシなのですが、なぜこの込み合う日にシアターテレビジョンが撮影するんだよとか思わないでもありません。特に平日が空いていると聞けばなおさらです。
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