速報→「明るい部屋」背番号零
2008.2.23 14:00
彼らにとっては初めての会話劇なのだといいます。アタシは初見。100分、26日までSTスポット。
田舎町。何かの博物館のバックヤード的な事務所のような場所。勤めている兄を訪ねて、弟が数年ぶりに恋人を連れてやってくる。冷蔵庫の中で育てられている何かのサンプル群の研究のために、外の研究者もけっこう頻繁に出入りするけれども、彼はあまり外に出ない。その部屋にはもう一人の住人が居て...
アタシには乞局のテイストの話と、resetNのような体温の低い芝居で照明も暗め。決して得意なフォーマットではありません。
少々病的な何かの感覚にとりつかれてしまっている感の兄と、結婚に転職と、揚々たる弟。仲はわるくないけど、わりとほっとかれ感という感覚の距離感は男兄弟の地に足のついた感じ。兄弟それぞれに感覚のずれみたいなものがあるのだけれど、互いを尊敬していて。何年もあっていない二人が久し振りに。冷蔵庫の中の何か、それを見守り続ける兄、芝居では目立たないけど弟の髪の毛を持ち歩いたりする恋人とか、ある種の気持ち悪さを見せたいのだと想像します。一方で、そのままでは幸せのまま進めない感覚を感じる弟の閉塞感。が、それが物語に結実しません。もう少しアタシは物語が見たいなともおもうのです。
本筋とはあまり関係のないこと、たとえば、 ソファーと机の間でされている会話が聞こえないはずはないんじゃ、とか、なぜ田舎町にそのチラシとか(土曜昼のみのミスのようですが)とか、些細なノイズが気になってしまうのは、こういう、見ている側を疑心暗鬼にさせ手探りに見ていくタイプの芝居ゆえ、というのはトークショーゲストの言葉。なるほど腑に落ちます。
トークショーは、フランケンズの中野成樹。どこから切り込んでいこうか気を遣いながら硬軟とりまぜて話を引き出そうとしているのは、まるでインタビューアーのよう。が、気を遣って繰り出す質問が結果的に、劇団側の二人には、芝居を作るにあたってのたくらみというか、どういう芝居にするかについての自覚がないように見せてしまったのは、劇団としてどうなのだと思ったり思わなかったり。
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