速報→「ウラノス」青山円形劇場カウンシル
2008.2.16 18:00
青山円形劇場とネルケプランニングによるプロデュースシリーズの一回目。前川知大の作、青木豪の演出による100分。17日まで青山円形劇場。
古い民家の裏庭。地質調査と称して出入りする男。裏庭の片隅にある碑を動かし、その下の穴に目をつける。家の持ち主に、土地ごと売って欲しいともちかける。住んでいる妹は断固拒否するが、東京に住んでいて一時的に戻ってきている姉は心が動く。近所に住んでいる公務員の男はその怪しさ故に穴のことを調べ始めて..
当日の無料パンフを付けないというのは、チラシに役者の写真が載ってたりして充実しているこのクラスならばホントは大した問題じゃないのですが、それが単にケチくさい了見に見えてしまうというのがむしろ勿体ないのです。
ネタバレかも
穴にまつわるSFの味付けが核。ネットのそこかしこでかかれているように、この手のネタは先行するSF作品があると途端に評価が厳しくなるという宿命をもちます。(amazon)。それを明記してインスパイアされた、ということもできましょうが、有料パンフしなかなくてそれを買っていないアタシにはそういうことが書かれているかどうかすらわかりません。
もちろん、単に全く同じというわけではありません。姉の話とかその恋人とか、忽然と現れた男とか、怪しげな業者という味付けだけではなく、「気持ちが見えてしまう特殊技能」というもう一つのSFネタも使っています。証拠も何も無い状況で、ある疑いが真実なのかどうなのかを一発で判別してしまうという無茶苦茶便利なアイテム。二つのネタを有機的に組み合わせて何倍にもしているというのなら、また新しいものとも云えましょうが、その爆発力にも残念ながら至りません。
SFネタがカブるかどうかということとは別に、どこか全体にちぐはぐな印象も否めません。チカラのある役者も多いし、勝手にアタシが不安を感じていた役者も含め全体に役者自体は巧く回ってる気がします。どちらかというと人物たちを突き動かしてる気持ちがぴんと来ないというか。地質学者と名乗る男が終盤で引いてしまうのは何故かとか、姉の言動が無茶苦茶でやってることが場当たり過ぎないかとか。終盤で姉がその土地に拘るようになっていく、そういう「希望」な感じにできるのに、舞台の空気が固まっていかないのがホントに惜しい。
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