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2008.01.06

速報→「tea for two」フライングステージ

2008.1.5 14:00

サンモールスタジオ昨年春の最優秀作品賞・主演女優賞を受けて、以前の作品の再演作。115分。8日までサンモールスタジオ。

1980年、札幌のビジネスホテル。予備校の冬季講習講師として滞在している男が目覚めると、隣には見知らぬ若者が寝ていた。記憶は定かではないが泥酔しているところを助けられ、そのイキオイで、一夜を共にしてしまったのだという。妻も子供もいる男は動揺するものの、大学生だというその男と、毎年その季節になると逢瀬を重ねるようになる。

バーナード・スレイド作の「セイム・タイム・ネクストイヤー」(日本では加藤健一事務所の上演が有名)と同じような枠組み、日本の札幌、1980年からの25年間に置き換えた形の翻案。性別と時代や場所を巧く設定していることで、ある種の相似形をなすようになっていて、見応えがあります。もちろんもとの話を知らなくても大丈夫。

ゲイであることを自ら表明している劇団らしく「自分たちの問題」としてきちんと描いています。 ことさらに派手や笑いに走ることはないものの、ところどころにスパイスのように見どころを効かせていて、静かな2人芝居ですが飽きずに見続けることができます。

「セイム〜」は1950年代からのアメリカ、女性の自立やヒッピームーブメントという時代を背景とした厚みを持っていました。今作にも時代の流れが見えてきます。1980年からの25年はゲイということが、エイズなどの負の面と一方の社会的認知を受けていく期間。あるいは安定しているかに見えた仕事や家庭が必ずしもそうでもないということが露呈してしまった期間でもあります。

それも東京ではなく地方都市という設定は微妙な影と、すぐ近くに少し進んだ地域が見えるというところで巧いなぁと思うのです。

出産など、感動するポイントが数多くある「セイム〜」に比べてしまうと、妻・息子や母親や別の恋人という一本で押すことは一本調子になってしまう感じは残ります。が、これはこれで世界をきちんと描いているし、日本の話、ということで見やすいということもアタシには嬉しいところなのです。

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