2007年私的ベストテン
遊びすぎがたたり、かなりのことを残したまま年を越してしまいました。まあ、それでも酒はやってくる(違)。さだまさしの年越し番組を横目で見ながら、ぽちぽち書いてみたりします。実家にPC持ち込むのは便利だなとちょっと思ったりもしつつ。
毎年のことですが、気持ちの残ったものを選ぶことにしています。全体を見渡し切れていないのと、50本ぐらいから先を絞り込むのはもうホントに難しいのですが、季節物ということでご勘弁くださいませ。
去年・2007年は芝居が279本でした。今年の一覧表はGoogle documentを使ってみました。結構便利な気がします。
今回もWondarlandの回顧特集に載せていただいております。そちらともかぶりますが、まあご容赦。「振り返る 私の2007」。CoRichはどうしよう。折角だから、ここと同じようにして投票しますか。
去年の感覚としては格差を描いた芝居が多かったのと、その反動としてかどうか、女性の強さを意識した感じでした。女性は既に男性を必要としていないのではないか、ということは感覚でそう感じるだけなのだけど、芝居のそこかしこに感じる、ということはも一度どこかで考えてみたい気がします。
もう一つの去年の話しとしては各種のコンテスト・ショーケース類があげられます。CoRichの演劇祭や、15minutes madeというスタイル、あるいは新宿村LIVEやお台場SHOW-GEKI城など。いい結果のものもありましたが、短かったりその場の特性を生かす劇団は決して多くなかった感じがします。次のステップに期待しつつ。
観劇日順です。同じ劇団からは一本を選び、アタシ的に初めて見た戯曲を優先して選びます。
観劇日 | 演目 | 劇団名 | 劇場名 |
2007.1.7 昼 | くらい | 散歩道楽 | サンモールスタジオ |
「格差」ということが云われ続けた一年なのだけど、その現場をこれほど臨場感をもって描いたものはそうはお目にかかれません。その意味で本作は実によかったのです。 | |||
2007.2.10 昼 | ぬけがら | 横浜未来演劇人シアター | 相鉄本多劇場 |
脱皮して若返り続ける父親、という無茶な設定に一瞬で連れ去られるのは、芝居を見ているときの醍醐味。 | |||
2007.2.25夜 | モロトフカクテル | タカハ劇団 | 早稲田大学学生会館B202 |
学生運動ということを明らかに知らない時代のことをこんな厚みをもって描く作家のすごさに舌を巻くのです。こんなすごいのを書いてしまうと後が大変なのだけど、それにも期待して。 | |||
2007.3.4夜 | ゼリーの空間 | 空間ゼリー | シアターグリーン エリア171 |
若い女性たちのコミュニティの、閉塞する感覚はアタシを息苦しくさせるのです。一瞬たりとも息を抜かせない物語の奇蹟。 | |||
2007.6.2 夜 | ドラマ進化論 | 北京蝶々 | 早稲田大学劇研アトリエ |
ベータ版という思いつきや、はしか騒ぎの対応の良さもあるのだけど。地デジを題材にしながら、「みんなが云っている」ということの危うさのようなもののすくい上げ方が見事でした。 | |||
2007.7.13 夜 | 小さなお茶会。 | 空想組曲 | 王子小劇場 |
フリップフロップのようにくるくると場面が切り替わるおもしろさ。エッシャーのだまし絵のようなセットと相まって、芝居故の楽しさ。 | |||
2007.9.16夜 | ルーファス奪還 | JAM BAL JAN JANパイレート | アサヒアートスクエア |
荒削りで、しかもわかりやすくないのだけど、一匹のライカ犬のものがたりから、イメージが溢れ出していることを感じ取れるのです。 | |||
2007.10.6昼 | 3人いる! | 東京デスロック | リトルモア地下 |
3人の人物がくるくると入れ替わるおもしろさ。それなのにあまり混乱しないまま見ることが出来る抜群の見せ方。これも舞台ゆえ、のプレミアムを持っていました。 | |||
2007.11.18夜 | 傷は浅いぞ | 柿喰う客 | 王子小劇場 |
クセのある題材選びの多い彼らの中では比較的フィクションとして受け入れられるものを選び、圧倒的なスピード感とテンションをよりすぐりの劇団員だけでタイトに魅せる魅力。筋肉質で実によい仕上がりで。 | |||
2007.12.2夜 | 東京裁判 | パラドックス定数 | pit北/区域 |
これは真実じゃない、ということはわかっていても、舞台の上の男たちが実に生き生きと描かれ実在を錯覚してしまう瞬間が何度も。 |
次点
観劇日 | 演目 | 劇団名 | 劇場名 |
2007.4.13夜 | ジューゴ | TEAM発砲B-ZIN | 本多劇場 |
この公演が最後になったのだけど、一般の観客に幅広くアプローチできる奥行きを持っているこの劇団はもっともっと評価されるべきだと思うのです。サラリーマンが会社帰りに友達を誘って見たいと思う芝居はこういうのだと思うのだけどなぁ。 | |||
2007.5.16夜 | 「鱈。」の(ふ) | Hula-Hooper | 7th Floor |
ダイニングバーを使っての企画公演的なもの。「オンナノコが女性になる瞬間」が巧い彼女たちの特性が存分に生かされた感じ。シリーズの二本目も楽しく。 | |||
2007.11.23夜 | コントローラー | 北京蝶々 | 早稲田大学劇研アトリエ |
セカンドライフ的なものを芝居のなかに取り込めているのはいまのところこの一作だけじゃないかと思うのだけどどうだろう。劇団一つ、という縛りで次点に。 | |||
2007.12.24夜 | 授業(Crossing2 Bプロ) | 風琴工房 | ギャラリールデコ5 |
アタシは初見でした。この圧倒的な台詞量の現場と、数学にまつわる会話のわくわくは忘れられません。 |
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