速報→「偏路」劇団、本谷有希子
2007.12.15 14:00
本谷有希子の新作。都落ちから始まる父と娘の物語。130分。23日まで紀伊國屋ホール。
親と喧嘩してまで東京に出てきて女優をやっていた女。劇団の解散をきっかけに実家に戻ろうと考えたものの、父親に言い出せず、毎正月に行く父親の遍路に同行して親戚の家に行く。お遍路さんへの「ご接待」をするようなアットホームを絵に描いたようなその家は、彼女にとっての克服できていない苦手なもので...
東京から離れたところで生まれ、東京に出て行く、のし上がっていくという意気込みというのは実際のところよくわからないアタシです。「都落ち」から始まるという話は数あれど、田舎がイヤだと思う気持ちの強い話は、「腑抜けども〜」に通じる感じの本谷節。
田舎に帰ろうとか出て行こうとか考える娘の行動が完全に自分中心、ふりまわし過ぎでなかなかアタシの感情を投影することが出来ない感じ。父親は父親でいいなりだったり、何かを解決に向かわせようと的外れなことをするのも彼女らしくはありますが、ここの視点もアタシとは違います。
むしろアタシが感じるのは、作家自身もあちこちで云ってる「田舎が嫌い、東京に出たい」という物語に見せておきながら、その土地にずっと行て出て行こうなどということを微塵も考えないような人々にたいするある種の嫉妬というか畏敬を感じてならないのです。なんてことを考えるのはアタシだけですかね。
体調というか飲み過ぎかジムのせいか、ちょっと睡魔もあったりしますが、当日パンフには対談から劇団年表、作家の父親の文章やら戯曲までのてんこ盛りで、アタシの睡魔の補完もできてかなりお得な感じ。
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