速報→「親兄弟にバレる」柿喰う客
2007.12.16 17:30
柿喰う客のこれも再演版。アタシは初見です。毎月のように公演を重ねる彼らは好き嫌いは別れそうだけれど、この密度でこの人数。たいしたものだと思うのです。65分。第一期は21日まで、フジテレビマルチシアター。
性技による格闘技、二つの流派。長い間敵同士だったが今や片側のみが隆盛を極め、片方は没落していた。この国が国際競技で勝てないことに業を煮やし、オリンピックの正式種目にしようと考える男が現れ天覧試合を企てる。が、それは初めてのことではなく、かつて二つの流派の間での天覧試合があったことがあって。
性技主体の格闘技なんていう大嘘を持ち出してるし、全編を通してやけに性的に下品な感じのセリフや設定も多く、ここを超えられるかが一つ目。たしかに相当に薄っぺらな下ネタで両刃の剣なのですが、これにのることさえ出来れば、一足飛びにこの世界に引き込んで貰えるのです。
さらに、つか芝居を彷彿とさせるテンションの芝居が役者のレベルがさまざまにばらけていたりして、好みは別れるところかもしれません。このテンション芝居ってのは必ずしもレベルの揃わない役者の見せ方としては常套だ、とアタシは個人的に思っているのですが。
対立する二つの家の間の話のロミジュリをベースにしてシンプルで強固な構造を作った上で、膨大に書き込まれたセリフを隙間無くつめこんでいます。この手法自体は彼らの得意技であることはわかっていても、こうして並べてみると、他の芝居との差は際だっていると感じていて、この日の4本の中ではかなり好きな感じでした。
そもそも設定からして嫌悪感をもってしまう人が居ても不思議ではないのですが、それをわかってかどうか、入り口からいくつか「この芝居は下品だからね」という張り紙をしてるのがちょっと面白い。芝居が始まる前にこれを言ってしまう、というのもあれですか、シェイクスピアの夏の夜の夢、っぽさですかね。
このくせ者の役者達に対して、わりと若手の筈の小指値・中林舞が対等に渡り合ってるってのも、ちょっと凄い。
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