速報→「わが闇」NYLON 100℃
2007.12.27 19:00
ナイロンに対しての2年ぶり新作。200分ほど。気がつけば前売り完売、当日券で潜り込みました。30日まで本多劇場。そのあと大阪、札幌、広島、北九州、新潟で1月末まで。
小さな村、作家の父が家族で引っ越してきた。三人姉妹と妻。妻は命を断ち、長女は作家に、次女は結婚し、三女は都会へ。2007年、寝たきりになった作家をドキュメント映画にするためにとり続ける男二人。
馬鹿馬鹿しい芝居を書いたかと思えば、こんな手触り。どちらかというと、フローズンビーチから消失の延長線上の印象。笑いはほとんどありません。乏しいアタシの印象ではチェーホフ劇の手触り。かといって、「消失」のときのような強いイデオロギーというか主張というのとは違う、作家自身の「気持ち」に向かっていく、という印象があります。
面白いと思ってみているのだけれど、アタシ自身は何処が面白いのか、ということを言葉として伝える方法がわからずに思案します。芝居を観ている最中に感想の書き方というかある種の定型文を考えるってのはよくないなぁともうのだけど、そのどれとも違う感じがこの芝居には感じるのです。
ネタバレかも
基本的には長女と父親の芝居だと思います。彼女から見える場面は印象的ですが、少年王者館の手法じゃないか、同じ映像担当なのかはわかりませんが、ぱくったりしてないよなぁとか。
相手に対するというか、自分の自我が、ずれる瞬間、というのを感じることがアタシ自身もあるのですが、それを体感してる感覚によくあっています。わかりやすいのは終盤の舞台がずれる仕掛けですが、そのまえの映像を使って輪郭がぼやける感じがしっくりきます。終幕直後にはずれが戻っているのも、アタシの泣きツボを押します。
終幕の写真を語るシーンは、わかりやすく泣かせどころでもあるのだけど、居なくなった人が自分をどう見ていたか、ということを言葉として語ると云うことのチカラの強み。ことさらに神だの仏だのゴーストだの云わなくても、残っている人々に対する視線がある、ということをしっかり印象づけるのです。
一方で、たとえば映像の演出、セットに等身大の映像を映し、繰り返しをやったりするのが、どこか少年王者館っぽかってりして、それは偶然なのかなぁ。
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