速報→「ドリームダン#2」散歩道楽プロデュース
2007.12.12 19:30
散歩道楽の女優・川原万季のプロデュース、彼女の作演による「5という名の3」と、太田善也による「松下ロボ殺人事件」の二本立て。16日までアートスペース・プロット。105分。
大昔にその土地で死んだ人の幽霊がまだ居る、その後の長い時間のあと、アパートが建つ。年上の女、ヒモ同然だけど一緒に暮らしてはいない男、突き止める人とか「5という〜」。 松下ロボという女が殺された。容疑者は6人。刑事はそれぞれの取り調べをする「〜殺人事件」
劇団の作家である太田善也と、基本は役者で作家としてはこれが二本目になる川原万季では、作演としての力量に開きがあるのは歴然。が、川原万季も前作に比べれば数段見応えがあって、続けることの効果というものを確実に感じます。その成長を見るのも楽しみの一つで。今の段階をみれば、まるで「かわいがり」稽古状態なことは否めませんが、この環境を継続出来るのは劇団の強みだなぁと思うのです。
「5という名の3」は、作家の頭のなかで考えるというか夢想というか妄想のあれこれな感じ。個々のシーンの繋がりは弱いのだけど一人の作家の頭のなか、という感じはたしかにする仕上がり。寂しいと思う気持ちに端を発して発想し、そこに向かって物語を編んでいる感じ。女性の妄想話がすきなあたしだからですかそうですか。終幕の壁と飲み物の使い方は少しばかりの派手さもあってちょっと巧い。
「松下ロボ殺人事件」は、劇団員は一人。ほかは若い俳優たちで演じられていて、一人多役で演じられますが、単にそれだけにとどまりません。犯人を捜すミステリー仕立てで始まりながら、物語が進むにつれて緻密に寄せ木細工のように組み立てられていく構成に舌を巻きます。6人の容疑者のそれぞれの供述はそれなりに面白く見せ、一人の小劇場女優のさまざまな横顔を点描していくのもちょっといい。圧巻なのはそのあと、物語がするすると収束していく感覚はさすがだなぁと思わせます。
その主役に据えられた彼女は人間的に酷い描かれようで、しかも下手なわりに強気な女優、という役ですから、本人はどう思っているかは知りません。が、彼女は確かに舞台の確かに真ん中に位置していて。観るだけのアタシは眼福なシーンも多くてよろこんでるのは、まあオヤジだからですが。
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