【芝居】「月並みなはなし」時間堂
2007.10.21 19:00
3年前初演を再演。1800円のシネマプライスのシリーズとして時間堂が行っている公演の一本。脚本の若さも残りますが演劇としての楽しさも溢れる105分。28日まで王子小劇場。当初のチラシに休演日が追加されて24-25日の二日間が休演になっています。終演後のトークショーが火曜日まであります。
月移民を選ぶ国家プロジェクト。大人数の選考が行われていて、選考終盤ではグループに分け、そのグループ単位での選考を行っている。そこで落選したグループの残念会に集まる人々。 そこに役人が現れ、欠員が出たので再度選ぶことになったので代表を自分たちで一人選ぶように申し渡す。
L字に囲んだ客席、舞台が一番低い構造は、人々の何かの過程を観客が観察している感じがします。一人を選ぶ、というのは畑澤聖悟の作(1,2)にシチュエーションとしては近いもの。が、終幕の感じはずいぶん異なります。
仲間たちを一人づつ落としていく、TVバラエティのサバイバー的なルール。互選というか「互落」の過程。選ぶ理由は理不尽だし、そもそもこんな選ばせ方をするというのも理不尽。人生ってのはそういうものだよなぁと思ってしまうのはアタシが何かに疲れてるのかもしれません。
軽い会話、クスリとさせる笑いもありますが、終盤にかけて静かになっていく感じがあります。ダブルキャストにすることで芝居の見た目が変わるところが結構あるようですが。
理詰めでみようとすると、腑に落ちないことはいっぱいあります。こんなに大変なことを決める過程に、今日初めてあった彼女も同じ一票にすることに納得できるかしら、とか、こんな理不尽な形で選ばせる理由はなぜなのだろうとか。
理不尽な選ばせかた、という点についてはアタシの友人の考えをきいたのですが、それは腑に落ちる感じがしましたが、あくまでも想像の域を出ません。役人が終幕でその理由らしきことをいいますが、文面通りだとは思えません。物語の上では本当の理由を登場人物たちには必ずしも知らせるべきではありませんが、観客としては、わけわからないまま放り出されるよりは何か道筋をつけて欲しいとも思うのです。トークショーで解説するというのも一つの方法かも知れません。
時間堂「月並みなはなし」
2007.10.19 - 10.29 王子小劇場
作・演出 黒澤世莉
出演 雨森スウ 河合咲 木村美月(クロムモリブデン) こいけけいこ(リュカ.) 境宏子(リュカ.) 池田ヒロユキ(リュカ.) 鈴木浩司 中田顕史郎
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